green#3

オータム’66+8(紙ジャケット仕様)

オータム’66+8(紙ジャケット仕様)

■On The Green Light / Spencer Davis Group
66年に出たスペンサー・デイヴィス・グループの3枚目です。スティーヴィーとマフのウィンウッド兄弟をフィーチャーした最後のオリジナル作。かなりジャズ寄りのインスト"On The Green Light"は、ブッカー・T&MG's風のものでセンチメンタルなフレーズ満載。初期トラフィックがたまにやってた様なムードもあります。

このバンドの場合、シングルとアルバムは別なのですが、ここにも入った"Somebody Help Me"の後のシングルが有名な"Gimmie Some Lovin'"です。
僕が初めて聞いたこの曲は、山下達郎の「サウンド・ストリート」のブリティッシュ・ビート特集でしたが、そこでかかったこの曲はスティーヴィーの♪Gimmmie Some Lovin'の対して、♪Gimmie Gimmie Some Lovin'〜というコーラスが入ります。ずっとこれが英シングル・ヴァージョンだと思ってましたが、実は米シングルヴァージョンだそうで、Islandから出た「The Best Of SDG Featuring Stevie Winwood」に入ったものもそっちだったのでした。

Dr.Feelgood(ドクター・フィールグッド)

ダウン・バイ・ザ・ジェティー

ダウン・バイ・ザ・ジェティー

a■■■Down By The Jetty('75)
b■Stupidity('76)
c■■Singles The UA Years('89)
パブ・ロックとは音楽的なジャンルを言う言葉ではないので、緩いものかたカチッとしたものまで結構幅が広い。フィールグッズに関してはカチッとした方の代表で、後のパンク・ムーヴメントにつながるはりきりぶり。リー・ブリロー(vo,harp)、ウィルコ・ジョンソン(g,vo)、ジョン・B・スパークス(b)、ザ・ビッグ・フィギュア(ds)による4人組。74年、ヴィック・メイルのprodでaをリリース(UA)。ザクザクするウィルコのカッティングにまずしびれる。この妙に威圧感のあるジャケットも含めバンドの代表作。ライヴbのあとウィルコはソリッド・センダーズ結成のためバンドを離れ、ジッピー・メイヨ(g)が参加する。cはUA時代のコンピレーション。


Dr. John(ドクター・ジョン)

a■In The Right Place('73)
b■Such A Night Live In London('84)
ニュー・オーリンズR&Bの巨匠。伝統的なセカンドライン・ファンクというよりは初期にはLAでのおどろおどろしいサイケな味わい。「Gris-Gris」('67,Reprise)がデビュー作。転機となったのはロンドン録音でデレク&ザ・ドミノスミック・ジャガーが参加した「The Sun Moon And Herbs」('71)で、翌年に出た「Gumbo」('72)で日本でも高い評価を受ける。aは最大のヒットとなった"Right Place Wrong Time"(#7)を含むもの。74年の「Desitively Bonaroo」(恐るべきファンキー・ドクター)を最後にAtcoを離れ、UA、Horizon、Clean CutなどにLPを残す。bは84年のロンドンでのライヴで代表曲を抑えたセレクト。そういえばニュー・オーリンズ・フェスを野音で見たり、クアトロで単独ライヴを見たこともあったなあ。

Dr.Hook & The Medicine Show(ドクター・フック&メディシン・ショー)

67年に結成されたカントリー・ロック・バンドだが、ちょっとクセあり。音楽スタイルとしてのカントリー・ロックではなくアウトロー・カントリーのスピリットを受け継いだ感じ。詩人でソングライターのシェル・シルヴァスタインの作品を取り上げているが、シルヴァスタインはバンドメンバーではない。72年のデビュー作「Dr.Hook & The Medicine Show」(Columbia)から、"Sylvia's Mother"(#2)73年の2枚目「Sloppy Seconds」から"Cover Of The Rolling Stone"(#5)がヒット。後者はRS紙の表紙を飾りたい〜と歌われるもの。voはデニス・ロコリーアー。
その後しばらく大きなヒットはなかったけど、ドクター・フックと短くして79年に"Sharing The Night Together"(Capitol,#6)を大ヒットさせてます。このころになるとAOR的な要素もあって80's初めまで"When You're In Love With A Beautiful Woman","Sexy Eyes"とヒットを飛ばす。

Dog Soldier(ドッグ・ソルジャー)

Dog Soldier

Dog Soldier

■Dog Soldier
思えば75年はハードロックなどヴェテラン勢にとっては分岐点となった年だった事を改めて実感しました。ブルーズブレイカーズからソロになったキーフ・ハートレーが自身のバンドを解散させ(間に素晴らしいソロを1枚挟んで)新たに結成したのがこのドッグ・ソルジャーです。ハートレー(ds)、ハートレー・バンド〜ヘムロックのミラー・アンダーソン(g,vo)、ハートレーとはアートウッズ時代の同僚だったデレク・グリフィス(g,vo〜元コリン・ブランストーン・バンド)、その後英国産AORとして知られるブリス・バンドを結成するポール・ブリス(b)、そしてメル・シンプソン(kb,vo)の5人組。基本線はミディアム調のブルーズ・ロックですが、時代柄プレAORともいえるメロディアスなナンバー、サザンロック的なスワンプ風味などにも目配せした超アナクロな音になっています。10分越すプログレ風の"Looks Like Rain"長尺のものも多いけど不思議に退屈には感じません。但しsyn,organなどの使い方はおそらく従来のハートレー・ファンからは日和ったと思われてますね、絶対。ベストは"You Are My Spark"、"Long And Lonely Night"あたりか。音的にはAnchorのムーンライダーに通じるものもあります。そうニッチ・ポップなのですよ。