ヴァシュティ・ブニヤン(Vashti Bunyan)

Just Another Diamond Day

Just Another Diamond Day

マーキーからの日本盤CDが出るまで存在すら知らなかった英フォークの宝物(と思ったら60'sにDeccaからシングル出してたガール・シンガーのヴァシュティと同じ人)。

70年に「Just Another Diamond Day」('70、Phillips)出た「はジョー・ボイドのprodで、フェアポートからサイモン・ニコル(banjo)、デイヴ・スワブリック(fdl)、インクレディブル・ストリングス・バンドからロビン・ウィリアムソン(harp)らが参加。儚いvoが印象的な「物語性」(ファンタシーと書くと語弊あり)を持った1枚。その後伝説となったヴァシュティは05年に奇跡的に復活。来日公演も行った。

ハーモニー

WC038★★HARMONY−Three Dog Night ('71)

Harmony

Harmony

Dunhillレーベルと言えば、ルー・アドラーが設立し、60's後半にママス&パパス、バリー・マクガイア、グラス・ルーツ、P・F・スローンなどを配しヒットを連発したレーベルです。68年にここからデビューしたスリー・ドッグ・ナイトは、70'sのDunhillを代表するヒットメーカーでした。ダニー・ハットン、コリー・ウェルズ、チャック・ネグロンという3人のvoがフロントに立ち、4人がバックを務めるという7人編成。積極的に外部の作家の楽曲を取り上げ、レオ・セイヤー、ポール・ウィリアムズ、ラス・バラード、ランディ・ニューマン、ニルソン、ローラ・ニーロらのナンバーをヒットさせています。
正直ベスト盤でOKな気もするのですが、71年の「Harmony」は、「Naturally」('70)と並ぶ3DNの代表作です。とりわけ”Old Fashioned Love Song”は#4まで上がるヒットとなっています。他にはホイト・アクストン、モビー・グレイプ、スティーヴィー・ワンダージョニ・ミッチェルのカヴァーがあります。
サザンソウル・スタイルのvoは、典型的なカリフォルニア産ポップスではないですけど、ブラスロックのようになった後期グラス・ルーツと共にこの時期のLAを代表する音です。

原盤 Dunhill:50108  71年12月リリース

13016■■■□ブルー・クリスマス('77日本)

ブルークリスマス [DVD]

ブルークリスマス [DVD]

監督:岡本喜八
主演:勝野洋竹下景子仲代達矢岡田英次岡田裕介八千草薫

倉本聰の脚本「UFO・ブルー・クリスマス」の映画化で、SFXを一切使わない、宇宙人も宇宙船も出てこないSF映画としてカルトな人気を誇ったものです。実際SF映画というよりは〈政府〉による謀略サスペンスとして見た方がいいでしょう。UFOに遭遇すると血液が赤から青になるという事から、青い血の持ち主を隔離し、抹殺してしまうと言う話。青い血をエイズあたりに置き換えると、背筋が寒くなる話。TV局のディレクター、仲代が真相に迫ろうとする話と国防省工作員、勝野とその恋人で青い血液の持ち主、竹下(若い)の話が交互に描かれる。やや長いが力作。ピンク・レディーの登場で、UFOはユーフォーと読むことが当たり前となったが、それ以前にはユー・エフ・オーと発音していたことも又思い出します(謎の円盤ユー・エフ・オーという海外ドラマもあった)。エヴァンゲリオンの中でシト(使徒)の血が青いと言う設定は、喜八ファンの庵野監督らしい、というのはその種のファンの間では有名な話。他には小沢栄太郎大滝秀治大谷直子沖雅也田中邦衛中条静夫高橋悦史、伊藤敏孝、天本英世岸田森ら。主題歌はCHAR。タブラを使った音楽もなかなかいいです。脚本を一字一句変えてはいけないという契約の為、かなり苦労があったらしい。公開当時は不評で、少なくとも見たものがすっきりする映画ではないですし、現在の批評もUFOの光線浴びると血が青くなり、性格も丸くなるとは??とか、あからさまな「未知との遭遇」からの引用云々というものが多いですが、主題となるのは謀略サスペンスなんで、やはりこれは怖い話です。

ロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)

You're Not Alone

You're Not Alone

72年にPolydorからデビューしたメリーランド出身のブルーズ・gtr(日本盤が出てたポリドールは、クラプトン、ジミ・ヘンドリックスリッチー・ブラックモアパット・トラヴァースらとともに70's後半ギタリストの一大キャンペーンを行い、その為に名前は聞いたことあるけど、よくわからない人の代表格になっていた)。いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンで、クラプトン、スティーヴ・ハウジェフ・ベックなどの第一線で活躍する人たちがファンを自認。ベックに至っては「Blow By Blow」の1曲でブキャナンに捧げており、それで名前を知った新たなファンも多い。有名曲"The Messiah Come Again"は、後に再演されるが72年の1stから。

日本では「Live Stock」('75)、「A Street Called Straight」('76)あたりから人気となり地味ながら来日公演もあって、レコード化された。
78年の「You're Not Alone」は、テレキャスターからレス・ポールに代えたことから「レス・ポールとの遭遇」(これはは「未知との遭遇」に引っ掛けた原題を更に引っ掛けた深いもの)という邦題が付いてて、僕的にはニール・ヤングジョー・ウォルシュのカヴァーというのがポイント。しかもvoはParamountにスワンプなLPがある、ゲイリー・セント・クレアだ。

バックエイカー(Buckacre)

イリノイから登場したイーグルス・フォロワーの一つで76年のファースト「Morning Comes」はグリン・ジョンズがprod。結局のところ2枚MCAに残して解散。lap-steelが心地よい"Love Never Last Forever"はいい曲だ。

バッキンガム・ニックス(Buckingham Nicks)


リンジー・バッキンガム(g,vo)とスティーヴィー・ニックス(vo)によるデュオ。もともとはフリッツという名前で67年頃から活動していたフォーク・ロックで、これが最終的にデュオとなり73年にPolydorから唯一の作品をリリース。prodはキース・オルセンで、後にマック時代と比べると瑞々しさが違う。74年にボブ・ウエルチの後任としてマックに参加し、バンドにブレイクの原動力となるが、私的なパートナーシップは解消。日本盤は78年にニックス・バッキンガムとしてリリースされた。