ジョーン・バエズ

フォーク・シンガーとしてのジョーン・バエズというと”Donna Donna”あたりを思い出すのですが、僕が好きなのは「Diamond And Rust」('75)あたりのポップなやつ。とりわけディランの歌真似も出てくる”Simple Twist Of Fate”やオールマンズの”Blue Sky”などトム・スコット一派をバックにしたソフト&メロウな演奏にのせて楽しませてくれます。A&Mを離れてPortraitに移籍した「Blowin' Away」('77)では、サザーランド兄弟(もちろん”Sailing”)やトラフィックのカヴァーも飛び出すのです。

罪なきいけにえ

6■Innocent Victim / Uriah Heep ('78,Bronze)

Innocent Victim

Innocent Victim

デイヴィッド・バイロンに代わってジョン・ロートン(vo)がルシファーズ・フレンドから参加した2作目ですが、当時はBronzeがワーナーから出てまして、その後東芝EMIに移ってから旧作は再発されたのですが、これはなかなか出なかった。かなりアメリカナイズされた音で"Keep On Riding"や"Flyin' High"などドゥービー的にも聞こえて、古くからのファンにはそっぽを向かれた1枚でもありますが、意外とこれイケるのです。ケン・ヘンズレー(kb)がストリングス系シンセを多用するのもこの時代ならではで、"Illusion"なんてスティックス的でもあります。"Cheat'N'Lie"や"Choices"のドラマティックな世界も捨てがたい。時代が一回り以上した今だから楽しめるのかもしれませんが。数少ないハードロックの"Free'N'Easy"もカッコイイです。


ピアニストを撃つな!

7■Don't Shoot Me I'm Only The Piano Player / Elton John ('72,DJM)

ピアニストを撃つな+4(紙ジャケット仕様)(Don't Shoot Me)

ピアニストを撃つな+4(紙ジャケット仕様)(Don't Shoot Me)

トリュフォー監督の「ピアニストを撃て!」に影響されたという話はホントなのかな? "Daniel"(不覚ながらこのfluteがmelotronによるものと今気付きました)や"Crocodile Rock"といったヒット曲以外にもホーンが入ったアッパーな曲が多い。ポール・バックマスターのストリングスの大げさな"Have Mercy On The Criminal"とかすごく苦手。"Blues For My Baby & Me"や"Teacher I Need You"あたりはいい。