Year Of The Cat / Al Stewart ('76)

ゲストのサックスソロつながり3つ目。
アル・スチュワートは、スコットランドの貴族の末裔というが、CBSからデビューした頃は、ブリティッシュ・フォークの貴公子的な存在で、恋愛遍歴を赤裸々につづった「Love Chronicles」(未だにジミー・ペイジ参加云々と書かれる)や「Orange」がこの時期の代表作。
70's半ばから音のほうも、だんだんポップになってきて、アラン・パーソンズのprod、アビーロード録音の「イヤー・オブ・ザ・キャット」が、アメリカでブレイク。

リアルタイムだけど、初めてこの曲を聞いたのは、「オールナイト・ニッポン」の2部でDJは、猫(というグループ)の田口清だったかな。初めは何も感じなかったけど、だんだんじわじわきた。アルとピーター・ウッド(この人は、バッドフィンガーのメンバーが結成したナチュラル・ガスのメンバー)の共作。♪ボギーの映画から抜け出てきたような朝・・・のくだりで始まるが、これは「カサブランカ」の事だろう。ピーター・ローレの名前も出てくる。猫の年というのは、今もって謎だけど、盛り上がったところで出てくるのが、フィル・ケンジーのサックス。これはドンピシャのタイミングだ。
もちろんこれだけではなく、全曲いい。他には、グラハム・スミス(ストリング・ドリヴン・シングの人?)のharmonicaが気持ちいい”Flying Sorcery”、スペイン内戦をテーマにした”On The Border”が特に。

バンドメンバーについても触れておこう。 アコギの名手、ピーター・ホワイトは以後も長らくアルと行動を共にする盟友。ジョージ・フォード(b)とスチュワート・エリオット(ds)は、コックニー・レベルのリズム・セクションでこれは、パーソンズ人脈だろう。クィーヴァーのティム・レンウィック(g)も以前から、アルをサポートした人で硬質のgを弾く。kbのピーター・ウッドは前述の通り、ナチュラル・ガスのメンバー。他にもコーラスにトニー・リヴァース(最近キャスタウェイズの音源が発掘されたりした、イギリスのスタジオ・ヴォーカリスト)、デヴィッド・パック(アンブロージア)など。 ジャケットは猫づくしのイラストで、香水、キーホルダー、タバコ、コインまで、鏡に映ったピーター・クリス・メイクの女性も猫の扮装。ヒプノシスの手によるもの。 というわけで、次は猫ジャケで。
Year of the Cat