3 ■■■日曜日が待ち遠しい!('83仏)

監督:フランソワ・トリュフォー
主演:ファニー・アルダン・ジャンルイ・トランティニアン・フィリップ・ローデンバック

トリュフォー監督の遺作となったものだが、これが初トリュフォーとなった。85年に久々にリバイバル公開となったヒッチコックの「裏窓」の併映として、新潟のシネマ1(カミーノ古町の上)で上映されたもの。その時は添え物でもおもしろいなあ、と感じたけど、本格的にトリュフォーにはまってゆくのは、その2年後のこと。
わりと重い恋愛ドラマを撮って来たトリュフォーが、「愛人」アルダンの為に撮った、軽めの犯罪コメディー。ラストで子供たちのいたずらが挿入されてたり(名作「トリュフォーの思春期」を思い出す)、ローデンバックにあの名台詞「女は魔物だ」を言わせたり(「アメリカの夜」でのJ・P・レオー)、「恋愛日記」の主人公のように、地下室の窓から歩道を歩く女の脚を見つめたり、と、過去の作品のオマージュ的な部分も多い。
トリュフォーは、キャサリン・ヘップバーンスクリューボール・コメディ(40’s)が念頭にあったとか。原作は米作家、チャールズ・ウイリアムスの暗黒小説「土曜を逃げろ」で、これまた本国より仏で人気があったというのは、「ピアニストを撃て」の原作者、デヴィッド・グーデスを思い出す。

Vivement Dimanche!、1h51、b&w