7 ■■■光の雨('01日本)

Finyl2005-01-22

監督:高橋伴明
主演:山本太郎裕木奈江萩原聖人大杉漣塩見三省

やりきれない映画だ。
連合赤軍によるあさま山荘事件の前日談、というよりも自己批判、相互批判、総括の名の下に集団リンチが行われてた話。原作は立松和平の史実に基づく同名小説で、映画はその小説の映画化が進めれているロケを中心とした、映画内映画の二重構造を取っている。革命共闘、赤色パルチザンと名前は代えられているが、登場人物は事実に基づいている。高橋監督は、連合赤軍による一連の事件を、連合赤軍をあからさまに非難することなく、淡々と描いてるがゆえに、「全共闘世代のノスタルジー」といった評も多い。
実際に起きた事だけを描くのではなく、現代の若者(役者)が(演じる)当時の革命家たちの心情をなかなか理解できないで(僕にもわからない)、もどかしく葛藤する様が印象的。当初劇中映画の監督だった、大杉が失踪してしまい(はっきりとした理由は明らかにされない)、メイキングを担当していた萩原が後を引き継ぐ形で映画は完成する。
重いテーマだが、映画の舞台を舞台とした青春群像劇ともとれる。出演者は若手が多いが、圧倒的な存在感を出すのが、裕木奈江。かつて被害妄想ともいえる女性週刊誌の猛烈なバッシングに合い、一線から姿を消した元アイドルだが、女性幹部、上杉(モデルは永田洋子)を演じた迫力には鬼気迫るものがあった。他には池内万作川越美和(この人も元アイドル、元気でいたのか?)、高橋かおり板谷由夏西山繭子(この人は作家の伊集院静の娘という)、大和屋ソセキ、小嶺麗奈ら。
賛否両論はあるが、僕は賛のほう。マッキさんに勧められながら、2年の歳月がたってしまったことを、お詫びしたい。ありがとう。やっと見れました。
2h10


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