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おとといのjudasさんのブログでライノの70’sヒット曲集、「Have A Nice Day」が取り上げられてた。確か26集ぐらいまで出てて、全部買ってるけど、ここから教わったことは多かった。いわゆるロックの歴史本では絶対出てこない優れたポップ曲の数々。量産され泡のように消えてった曲の数々。便乗企画だけど、ライノのコンピをテキストにして、しばらく続けます(脱線するけど)。
Vol. 1-Have a Nice Day!
前半は69年のヒットが5曲続く。
More Today Than Yesterdayは、スパイラル・ステアケースのヒット(#12)。このコンピで聞くまでは全く知らなかったバンドだけど、ブラスロック的なニュアンスもあって、prodがジェリー・ロスというのもなんとなくわかる。リードシンガーのパット・アップトンは、実は映画「カリフォルニア・ドリーミング」(グリニス・オコーナーのヌードで有名な)のサントラにも入ってて、女性だと思ってたのだ。更にこの曲、最近セレクト合戦でも他人がカヴァーしたヴァージョンで2つほど発見。これは意外だった。
Baby It's Youは、バート・バカラック曲で60’sにシレルズがヒットさせたもの(ビートルズもカヴァー)。ゲイル・マコーミック(vo)率いるスミスのカヴァー(#5)は、かなりイメージが違うブルージーな感じだけど、いかにもシングル向けの感じもある。レーベルはダンヒル
Smile A Little Smile For Meは、イギリスのフライング・マシーン(ジェームズ・テイラーのいたフライング・マシーンとは別)の佳曲。邦題は”笑ってローズマリーちゃん”だけど、続くシングル”Baby Make It Soon”も”急いでベイビーちゃん”だった。ホノボノ調が楽しい。#5
Cherry Hill Parkは、”Down In The Boondocks”のヒットを持つビリー・ジョー・ロイヤル。例えばBJトーマスやジョー・サウスの世界にも近い、南部の白人カントリーだ。#15
Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbyeは、少し前風来坊さんところで話題になった架空のスタジオグループで、まあバブルガムの産物。こんな意味のないチャントの様な歌詞の曲が#1なんだから時代の空気もあったんだろう。バナナラマがデビュー作でカヴァーして、僕なんかはそっちで知った。
もひとつバナナラマがカヴァーし、世界的にヒットさせたVenusは、オランダのショッキング・ブルーの#1。アメリカのチャートでオランダ勢が席巻するのはもう少しあとだけど、その先鞭を付けた感じ。今聞くと結構シンプルなビートものだ。間奏のリードシンガー(女性)の♪Ah〜と言うスキャット部分には脱力感漂うが。ちなみに80’sに日本ではポップス時代の長山洋子もカヴァーしていた。
ヴィーナス?ザ・ベスト・オブ・ショッキング・ブルー
ヴァニティ・フェアというとラリー・ペイジのペイジ・ワンからデビューしたイギリスのポップグループで、Early In The Morningは、哀愁感漂うナンバー。ただこういうのはどうも苦手で、”Hichin’A Ride”の方がずっと好き。#12。
ポール・リヴィア&レイダーズのシンガー、マーク・リンゼイのソロヒット、Arizonaは、#10まで上がったヒットだけど、いかにも中途半端なロック風に聞こえる。邦題は”花咲くアリゾナ”。
後にソロになるドニー・アイリス(judasさんは裏ラス・バラードと呼んだ)がいた、ジャガーズは、カマ・ストラからデビューしたバブルガム色濃いバンド。Rapperが#2まで上がったというのも時代の流れなのかな。アイリスは80’sに入っていくつかヒットを飛ばしている。
映画「くちづけ」(ライザ・ミネリがまだ可愛らしかった頃)の主題歌、Come Saturday Morningは、A&Mのヴォーカル・グループ、サンドパイパーズ。いかにもA&Mらしい洗練されたコーラスワーク。このグループは”Guantanamera”の大ヒット(#9)がある。#15
アーチーズのロン・ダンテがリードを取る架空のスタジオグループ、カフ・リンクスの大ヒットTraceyは、数々のコンピに入ってるソフトロック、バブルガム有名曲だけど、まあこれはいいわ(^^;
こういったならびに突然マウンテンが入ってくるのが、このライノのコンピなんだけど、Mississippi Queenは、カウベルを使った印象的な曲の一つ(他には、チェンバーズ・ブラザーズの”Time Has Come Today”)。クリームのブレーンだったフェリックス・パッパラルディが、巨漢のギター弾き、レズリー・ウエストと組んだヘヴィ・ロック・バンドで、実はウッドストック系のハングリー・チャックあたりとも人脈的につながりがあったりしておもしろい。#20