3月のせい

Finyl2005-03-01

しらないうちに3月だ。近年最大放出といわれる花粉は、まだOKだけど、ダメな人はもうダメらしい。
♪それは3月のせい、体温は不安定・・・と歌われるのは、鈴木祥子の”3月のせい”。
メジャーとの契約を切られ(自ら切り)、去年インディーから濃密なライヴ盤を出した、鈴木祥子はもともと鈴木慶一高橋ユキヒロのユニット、ザ・ビートニクスのdsとしてキャリアをスタート。90’sはじめのガールポップブームに乗っかった、sswの1人として、エピックソニーを代表する1人として活動。初期にはアイドル的な(そういう年齢ではなかったけど)受け取られ方もされた(野田幹子、加藤いずみ、笹野みちる東京少年)、近藤名奈なんかもそうだった)が、小泉今日子に書いた”優しい雨”あたりから、音楽的に語られるようになった。この”3月”はエピックからの最終作となった「Candy Apple Red」(’97)から。個人的に本格的に鈴木祥子に惹かれた1枚だったので、思い出深い。スカパラホーンをゲストにしつつ、菅原弘明(当時のダンナ、後に離婚)、名村武、鈴木というシンプルなユニットで聞かせる曲の数々。自身3月がどうも苦手で、という体験に基づいたこの歌は、同時代のグランジなロックを思わせる、どっしりとしたリズムが印象的なナンバー。
かと思うと、五島良子真城めぐみヒックスヴィル)らを加えた現代のガールグループサウンドともいれる”すべてはOK”、五島のエンジェル・ヴォイスが聞ける”Angel”といった、重くない曲もあって、それも素晴らしい。