Hellfire-Night Crier / Jackie Lomax

hellつながり
ジャッキー・ロマックスはリヴァプール出身で、マージービートの時代にはアンダーテイカーズを率いてた人。その後ジョージ・ハリスンの肝いりで、アップルと契約、第1回リリースの1枚に選ばれた「69年のIs This What You Want」(邦題は「驚異のスーパーサウンド」だっけ?)からのシングル、”Sour Milk Sea”も思ったより成功をあげられず、渡米している。
何故かウッドストックの地にたどり着いて、ジョン・サイモンにprodをまかせたのが、72年の「Three」。LP時代、誰?松山千春?と友人に聞かれた印象的なアップのジャケットが有名な1枚。当然ベアズヴィル・スタジオ録音で、ジョン・ホール(g)、ビル・リッチ(b/ベターデイズ)、ビル・マンディ(ds/ジェフ&マリア)、NDスマート(ds/ハングリー・チャック)、マーティ・グレッブ(kb/ファビュラス・ラインストーンズ)、リック・ダンコ&リヴォン・ヘルム(ザ・バンド)など地元の強力なメンツが参加。おそらく、ベターデイズの1枚目、ボニー・レイットの2枚目は、同じ頃同じスタジオでの録音なんだろう。またロマックスが英国から呼び寄せた、ブリン・ヘイワース(g)もいくつかの曲で強力なスライドを聞かせる。
後にサイモンのカムバック・アルバムで再演された、サイモン、ロマックス作の”Lost”、”Time Will Tell”などの旧A面の出来がよい。Hellfire−Night Crierでは、ホールがg、リズム・セクションは、ダンコーヘルムという豪華なもので多少レゲエがかった感じが心地よい。この路線はこれ一作で、ロマックスはキャピトルに移籍、もうちょっとメローな出来のアルバムをリリースする。ここでのスワンプ路線(結構ソウルフルな歌声なのに)は突然変異か。コーラスで、トニ・ワイン(マインドベンダーズの”Groovy Kind Of Love”の作者でもある女性ソングライター)も加わってることに注目。
スリー