Black Water / The Doobie Brothers

waterつながり
ドゥービー・ブラザーズ初の#1ヒットとなったこのBlack Waterは、ライヴでも大いに盛り上がる曲だけど、「What Were Once Vices Are Now Habits」(邦題は「ドゥービー天国」)に収められたスタジオ・ヴァージョンはえらくジミなムードだった。バンドの曲の大半を書き、歌う、トム・ジョンストンの音楽的背景には、R&Bがあるが、パット・シモンズの場合、アコースティックなフォークがある。ケイジャン風味のこの曲も、ノヴィ(チャンキー、ノヴィ&アーニーのメンバーの女性美人ヴィオラ奏者)、アーロ・ガスリー(autoharp)らゲストを迎えて、楽しく聞かせる。当初”Another Park Another Sunday”(#32)のB面だったが、後にA面として再リリースされた。タイトルは歌詞に出てくる、ミシシッピー川のことだろう。♪Mississippi moon, won't you keep on shinin' on me 〜のくだりは、ステージでは土地の名前を入れて歌われ、♪I'd like to hear some funky Dixieland
Pretty mama come and take me by the hand 〜のくだりはオーディエンスの合唱がある、といった具合にライヴでの盛り上がりに欠かせない曲だが、才人ジェフ・バクスターをフィーチャーした時期では、バクスターのsteelが入り、カントリー・ロック風味となる(79年の来日公演では、バクスターはgで”スキヤキ”のフレーズを挿入)が、ジョン・マクフィーに代わってからは、オリジナルに準じてfiddleを入れたアレンジとなったようだ。
「The Captain & Me」と「Stampede」にはさまれた74年のアルバム、「天国」はメンフィス・ホーンズ(そういえば、ホーンがディキシー風にソロを取るアレンジもあった)の参加もあって、それまでとはぐんと音楽性が広がった感じ。スタジオ・ヴァージョンはゆっくりだが、ライヴでは高速ヴァージョンとなる”Road Angel”では、故キース・クヌッドセンが歌う事が多かった。
What Were Once Vices Are Now Habits