Brown Eyes / Fleetwood Mac

Tusk (Dlx)
色もの。
フリートウッド・マックの「噂」が大ヒットした年は、中学3年だった。当時リッチー・ブラックモアのフレーズの話を熱く語ってたハードロック少年も、音楽の時間に「展覧会の絵」をかけることを断固として譲らなかったプログレ少年も、ブライアン・メイの切抜きを下敷きに入れていたヴィジュアル好きの少女すら、スティーヴィー・ニックスってかわいいよね、って言ってた、そんな時代のそんな存在だったのだ、フリートウッド・マックは。
77年の初来日は、まだまだ人気急上昇中だったが、80年の二度目の来日は(名古屋は、おなじみの公会堂が老朽化のため工事中で、岐阜に振り替えられた)、人気者としての貫禄たっぷりだったという。どっちも見てないけど、後者は行けたのに、行かなかったのは、「Tusk」の存在がある。2枚組の新作、買いはしなかったが、友人に借りた。何度聞いても散漫な印象だったから、マックにとっての「ホワイト・アルバム」的なイメージは今もある。半分近くの曲を書いてるリンジー・バッキンガムの”同じようなタイプの曲”には、少し参るが、その中では"Walk A Thin Line”、”Save Me A Place”といったナンバーがいい。個人的には、スティーヴィーよりもクリスティン・マクヴィーの書く曲のほうが好みだけど、今回は影が薄い。”Over And Over”とこのBrown Eyesくらいだ。そしてスティーヴィーは、長い”Sara”がヒットしたこともあって目立つが、”Beautiful Child”、”Angel”といった佳曲の方が光る。フォークっぽいルーツを生かした作風が印象的だった。