Green Lights / Bonnie Raitt

Green Light
色もの(最後)。
89年の「Nick Of Time」で劇的なカムバックを果たすボニー・レイットだけど、彼女にとって80'sは非常に辛い時期ではあった。MUSE(原発反対運動)の活動はあったものの、MTV全盛のこの時期、ロックというメインストリームでは、ボニーの居場所はなく、かといって初期のようにブルーズにどっぷりつかる、といった思い切りのよさもなかった気がする。86年の「Nine Lives」は僕のようなファンにとっては、待ちに待った1枚だったが、派手な80'sロックはどう見ても似合わない。それでも好きなところを懸命に探そうとした記憶がある。その前となると、82年の「Green Light」。ロブ・フラボーニのprodで、イアン・マクレガン(kb/元フェイセズ)のバンプ・バンド(小原礼(b/元サディスティック・ミカ・バンド)、リッキー・ファター(ds/元フレイム〜ビーチボーイズ)、ジョニー・リー・シェル(g/元ベイビー))をバックにしてのもの。前作「The Glow」はピーター・アッシャーによるボニー・リンダ化計画の1枚だったが、ここではニュー・ウェイヴ時代に即した、バック・トゥ・60'sというかビート感覚がある1枚。当時よく聞いたものだった。リチャード・マニュエルがコーラスで参加した”River Of Tears”(エリック・カズ作)やディランによる新曲もあるけど、NRBQの曲が2つ取り上げられている。デイヴ・エドモンズもカヴァーした”Me & The Boys”とこのGreen Lights。タイトル曲であり、バンプバンドらしいイキのよさが感じられる強力なロックンロールだ。他にはジェリー・ウィリアムスの”Talk To Me”、イーコールズの”ベイビー・カム・バック”など。