You Are The Music / Trapeze

ｍｕｓｉｃつながり。
３期パープルのグレン・ヒューズ（ｂ、ｖｏ）がそれ以前に参加していたパワートリオのハードロックが、このトラピーズ。とはいってもデビュー当時は、レーベルがムーディー・ブルーズのスレショルドということもあって、メロディアスなプログレ風のものだったようだ。２枚目の「Ｍｅｄｕｓａ」でトリオ編成となり、７２年にリリースした最高傑作が「連動」という邦題で出た、「Ｙｏｕ　Ａｒｅ　Ｔｈｅ　Ｍｕｓｉｃ・・・Ｗｅ’ｒｅ　Ｊｕｓｔ　Ｔｈｅ　Ｂａｎｄ」。
基本線はハードロックだが、ヒューズの志向は当時の英国のハードロックの連中にあって、異端なほどブラックミュージック寄りだ。スティーヴィー・ワンダーやレイ・チャールズをアイドルとしつつ、ヘヴィなロックをプレイするアンバランスさが魅力。後に長くレパートリーとなる”Ｃｏａｓｔ　Ｔｏ　Ｃｏａｓｔ”での伸びのあるｖｏが素晴らしい（ｅｌ−ｐはロッド・アージェント）。ヒューズ、メル・ギャレー（ｇ〜後にホワイトスネイク）、デイヴ・ホランド（ｄｓ〜後にジューダス・プリースト）のシンプルな演奏だが、ゲストとして、ＢＪコール（ｓｔｅｅｌ）、アージェント（ｋｂ）、ジミー・ヘイスティング（ｓａｘ）、フランク・リコッティ（ｐｅｒｃ）といった人たちが参加。通常ハードロックのレコーでは、あまり名前を見ることは無いが、英国の一流プレーヤーたち。
タイトル曲のＹｏｕ　Ａｒｅ　Ｔｈｅ　Ｍｕｓｉｃは、シンプルなハードロックで、弾きながら歌う、ヒューズのアクションが思い浮かぶ。ＬＡのウィスキー・ア・ゴー・ゴーでのステージを見て、パープルへの引き抜きを考えたジョン・ロードもこの曲は気に入ったろうか？