Weir Here / Best Of Bob Weir

Best of Bob Weir
グレイトフル・デッドにあってはジェリー・ガルシアの影に隠れがちだったが、ボブ・ウィアは、デッドになくてはならない存在だった。これはウィアのソロのキャリアをスタジオとライヴに分けて収録した2枚組のベストで、04年Hybridからのリリース。
どうしても70年代前半までのデッドに、興味は集中してしまうけど、1枚目のスタジオサイドでは、まず初ソロ「Ace」(’72)から5曲。ほとんどデッドのメンバーで録音されたデッドの新作といってもおかしくない出来だが、あふれ出る創作力をこうやって名義を変えてでも出さなければ、捌ききれなかったのかも。ガルシア以上にロックンロールへの愛情があふれ、おそらくデッドの無数のチャック・ベリー・ナンバーはウィアのアイディアだったのでは?と思わせる。デッドのステージでもしばしば取り上げられた、”One More Saturday Night”、”Playing In The Band”がやはり素晴らしい。
76年にNRPSのデイヴ・トーバート(g)らと始めたキングフィッシュもデッドのユルさ加減を受けたバンドで、そのデビュー作から2曲。 78年の「Heaven Helps The Fool」はボブ・ウィア・バンドのクレジット。バックはディー・マレー(b)、ナイジェル・オルソン(ds)、デヴィッド・フォスター(kb)、ビル・チャンプリン(kb)といったマイケル・ディナーの2枚目に加わってた面々。いうまでもなくフォスター、チャンプリンは後にシカゴのポップ化を支える人たちだし、リズムセクションは、元エルトン・ジョン・バンドと、らしくない人選。リトル・フィートのカヴァー、”Easy To Slip”の爽やかさは意外な味だが、いささか大味な曲もあり。
81年のボビー&ザ・ミッドナイターズでは、ビリー・コブハム(ds)、ブレント・ミッドランド(kb/元シルヴァー〜後にデッド)、アルフォンソ・ジョンソン(b)らが参加。この”I Want To”はレゲエのリズムを借りたもの。
時代は飛んで、94年のロブ・ワッサーマンの「Trios」からの”Easy Answers”。ワッサーマンの名前は当時ピーター・バラカンの放送で名前は知っていたが、音をちゃんと聞くのは初めて。そのワッサーマンも参加したボブ・ウィア&ラットドッグの「Evening Moods」(’94)から2曲。演奏は悪くないけどメロディが、なんかこう、訴えてこないのだ。