ピエール・ムーレン死去

昨日深夜mixiの友人から聞いた話では、ゴングのピエール・ムーレン(Pierre Moerlen)が5月3日に亡くなったという。53歳。ムーレン(昔の表記ではモエルレン)は、イギリス/フランスのサイケデリックプログレッシヴ〜ジャズロックのゴングのドラマー。デヴィッド・アレン、ジリ・スマイスを中心とした「サイケデリックな思想」のゴングを演奏面で支えたのは、マイク・ハウレット(b)であり、ティム・ブレイク(syn)でありこのピエールだった。特にアレン、スマイス脱退後、急速にジャズロックへと傾くバンドのイニシアティヴを取った。一作ごとにメンバーが変わるゴングだけど、「Gazeuse」以降voへの依存度を減らし、「ExpressoⅡ」では正式メンバーが、リズム隊だけ(といっても、ムーレン(ds、vb、glockenspiel)、弟ブノア・ムーレン(vb、marimba)、ミレイユ・ボーエル(vb、marimba)、ハンスフォード・ロウ(b))となり、このバンドの特殊性を浮き彫りにした。
ゲスト陣は、前作までメンバーだったアラン・ホールズワース(g)、ダリル・ウェイ(violin)、ミック・テイラー(g)ら。緊張感あふれる白熱のプレイもあるが、文字通りパーカッシヴな躍動感あふれる演奏は、3人の打楽器奏者の目くるめくプレイのおかげだろう。収められた6曲は、リリースから25年以上たった今も僕を魅了する。
Expresso 2
ヴァージンでの最後の作品となったこれ以降、アリスタからのアルバムは、ピエール・ムーレンズ・ゴングとクレジットされ、よりクロスオーヴァーフュージョン色が濃くなってゆく。マイク・オールドフィールドのバンドにも加わったり、ドラム・クリニックを行ったりして、時折アルバムを出したりの日々だった。くしくも去年、ムーレンズ・ゴングから派生したゴングジラが来日公演(ブノア在籍)を行ったばかり。
ご冥福をお祈りします。

http://www.planetgong.co.uk/octave/info/news.shtml#pierre