Silly Boy / Tony Ashton & Jon Lord


sillyつながり。
74年に出たトニー・アシュトン&ジョン・ロードの「First Of The Big Bands」は、古くからの友人でもある2人の旧交を温めるような企画。トニー・シュトンは、リモ・4〜アシュトン、ガードナー+ダイクのkb奏者で、ブルージーなしゃがれた声の持ち主。R&Bをルーツに持っているが、このアルバムのタイトルにも使われてるが意外とビッグバンド好きでもある。ジョン・ロードは、ディープ・パープルのkb奏者で、ここでは当然歌わないがorgan、clavinetを中心にバックアップ。録音は71年ごろからコツコツされてた様だが、リリースは74年の3月。実はこの時期パープル関係はかなり忙しく、2月に「Burn」のリリース、4月にこれ、6月にロードのソロ「Windows」、9月にはアシュトン&ロードとしてBBCでライヴ、11月にはロジャー・グローヴァーの「Butterfly Ball」、12月に「Strmbringer」、とこれだけの枚数がパープル・レーベルからリリース。これはマネージメント側が、枚数を出して実績を作りたい(もちろん他のアーティストもいるのだけど)という欲が出て、結果的にメンバーを多忙ゆえに追い込んだ感じもしないでもない(「Stormbringer」は大好きだが)。それに加えて「Burn」のツアー、カリフォルニア・ジャムなどの出演もあってメンバーの疲労度は高かったろう。
ロードにとって、ある種息抜きになったかもしれないアシュトンとの共演は、ブルージーなそれでいて大衆的でわかりやすいメロディの数々は、後にPALの音楽としても再現される。このSilly Boyは、マデレーン・ベル(ブルー・ミンク)らの女性コーラスとホーンがユーモラスでヴォードヴィルタッチでもあるナンバー。BJコールのスティールの入ったカントリーロックもあるが、ピーター・フランプトン(g)、カーマイン・アピス(ds)、パット・ドナルドソン(b〜フォザリンゲイ)、ジム・クリーガン(g〜ファミリー)という参加ミュージシャンもばらばらで統一感はない。