Tell Me To My Face / Hollies

フォー・サートゥン・ビコーズ・プラス(紙ジャケット仕様)
所有格つながり。
最初は米エピック編集のコンピCD、次はEMIのアビー・ロード・シリーズで聞いてしまったので、なんとなくオリジナルアイテムを聞きにくくなってる(60’sのグループを聞いてゆく際に、アルバムごと、と言うのは果たして意味あることなのか?といつも迷う)ホリーズだけど、この66年の5枚目「For Certain Because」は買ってしまった(BGOから出た旧規格だけど)。
アラン・クラーク(vo)、グラハム・ナッシュ(vo,g)、トニー・ヒックス(vo、g)、ボビー・エリオット(ds)、エリック・ヘイドック(b)からなるホリーズは、マンチェスターで結成された5人組。クラーク=ナッシュ=ヒックスの鉄壁のコーラスは、ビートルズのライヴァルたらしめるに十分な飛び道具だった。この「For Certain」は、ヘイドックに替わってバーニー・カルヴァート(b、kb)が参加した第2期のラインナップの1枚目。ヒット曲は”Stop Stop Stop”(英#2)だけだが、どの曲もホリーズらしいメロディアスなナンバーばかり。
”Suspicious Look In Your Eyes”はうねりを持った甘いナンバーだし、後のサイケ路線を予感させる凝った作りの”Pay You Back With Interest”も素晴らしい。このTell Me To My Faceは、後にダン・フォーゲルバーグがティム・ワイズバーグとの共演アルバムで、カヴァーした時からずっと気になってた(当時はホリーズなんて知らなかった)もので、乾いた曲調そしてそこはかとなく漂うエキゾティックな感じが印象的。
この後ホリーズは、ナッシュ先導でポップ・サイケ路線の「Butterfly」をリリースするが、ディランのカヴァー曲をめぐってナッシュとヒックスが対立、ナッシュは脱退してCS&Nを結成する(これはキャロル・キング(当時は職業作家だった)の曲をやりたくないとバーズを脱退したデヴィッド・クロスビーと同じか?)。