Raining In Memphis / Dan Penn

Nobody's Fool
雨の歌#2
くしくも、きよさんが日記で車ジャケの話でさらっと触れてたダン・ペンの「Nobody’s Fool」(’73)から。ペンというと、アレサ・フランクリンの”Do Right Woman Do Right Man”、ジェームズ・カーの”Dark End Of The Street”(この2曲はグラム時代のFBBがカヴァー)、さらには、ボックス・トップス(アレックス・チルトンがいた)の一連のヒット曲、ジェームズ&ボビー・ピューリファイの”I’m Your Puppet”などの曲の作者(共作者)として知られた人。白人ながらサザンソウルに造詣が深く、マッスル・ショールズ、メンフィス界隈で裏方として活動する傍ら、ボックス・トップスをprodして成功を収めた。
それまで裏方としての評価はあったが、ブルー・アイド・ソウルな歌声を聞かせた初ソロは、セールス的には成功しなかったけど、南部の白人らしく、R&Bとカントリーに満遍なく愛情を注ぐスタイル。これにソウルフルな歌声が乗っかる。録音はメンフィスで、デューリン・ランカスター(ds)、ジム・ジョンソン(b)、スプーナー・オールダム(kb)らが参加。どの曲も素晴らしいが、CCRの”Lodi”を実に味のあるarrでカヴァーしている。

このRaining In Memphisは、メンフィス・ホーンズが参加して、特にキレのよいtrumpetが聞ける。イントロはピチカート・ファイヴが引用してたけど、洗練された演奏にしゃがれた声が乗るミスマッチ感覚というのもおもしろい。”雨の御堂筋”(欧陽 菲菲)”雨の西麻布”(とんねるず)など地名に絡めた雨の歌も多い。今回紹介しないけど、ブルック・ベントンの”Rainy Night In Geogia”(トニー・ジョー・ホワイト作)、”Kansas Rain”(ジョン・スチュワート)、”雨のニュー・オリンズ”(国生さゆり)(爆)などもある。

しばらく音楽活動から遠ざかっていたペンが盟友スプーナー・オールダムと組んでツアーを行い、日本にもやってきた話は記憶に新しい。