It Might As Well Rain Until September / Carol King

Dimension Dolls
雨の歌#4
キャロル・キングというと今ではほとんどの人が、「Tapestry(つづれおり)」に代表されるssw的な作品を想像するだろう。70’sの初め、社会情勢の変化に伴って、「歌」も私的な、内省的な題材を取り上げることが多くなり、sswたちの歌がもてはやされるようになったのだけど、キャロル・キングは、「転向派」でありそれ以前は、夫のゲリー・ゴフィンと組んだゴフィン=キングとして一世を風靡した職業作曲家チームだった。
そして更に遡ると、自作自演の歌手(sswと同義語ながら音楽は全く違う)だった。
ABC Paramount、Alpine(ニール・セダカへのトリビュート曲、”Oh Neil”)そしてDimensionというレーベルから、何枚かシングルがある。
この「Demension Doll」は、キング、リトル・エヴァ、クッキーズの3組をフィーチャーしたコンピレーションで63年にリリースされたもの。エヴァ(ゴフィン=キング夫妻の長女、ルィーズ・ゴフィンのベビーシッターもやってたと言う)の有名な”Locomotion”もここに入っている。It Might As Well Rain Until Septemberは、62年に#22まで上がった、キャロル・キング初めての大ヒット。アメリカン・ポップスの王道を行く曲調、歌詞で、〜あなたと会えないくらいなら、(学校が始まる)9月までずっと雨の方がマシ〜 と歌われる。
僕が持ってるのは、91年に英EMIが出したCDでボーナス曲入れて全20曲。現在は米Sundazedからリリースされている。どっちにも入ってるが、後のsswスタイルを予感させる(その間にザ・シティがあるが)、”I Didn’t Have Any Summer Romance”には泣ける。これも失恋した少女が、もう夏のロマンスなんていらないわ、と少々強がりながら、少女時代を決別し、大人への第一歩を踏み出す(大げさな・・・)歌。

実はこの曲、初めて聞いたのが83年の山下達郎の「サウンド・ストリート」で、あるサイトでこの日のOAリストがわかったので挙げておこう。

ユアーズ・フォーエバー アトランティック・スター
ジングル・ベル・ロック マイク・ラブ
アイ・マスト・アズ・ウェル・レイン・アンティル・セプテンバー キャロル・キング
花のサンフランシスコ スコット・マッケンジー
タミー デビー・レイノルズ
ダウン・ザ・リバー・ブギ ポット・リカー
ゴッド・オンリー・ノウズ ジャック・ジョーンズ
クリスマス・イヴ 山下達郎

なんとも素敵な選曲。当時は大学2年生で、この8曲の中ではキャロ・キンが一番響いたなあ(@@)