Right As Rain / The Band

Islands
雨の歌#7
76年のウィンターランドでのラスト・ワルツで解散(当時はライヴ活動の休止)した、ザ・バンドの新作「Islands」が77年の春になって届けられたのには、びっくりした。早すぎる。当時リアルタイムで聞いた時は、あまり感じなかったが、軽くなってしまったという評も多かった。1つの節目を終えて気が抜けてしまったのか?という意見もあったが、後に暴露された内情は、ロビー・ロバートソンとリックダンコ&リヴォン・ヘルムの人間関係がいよいよ怪しくなってきたらしく、ラスト・ワルツの映画のサントラをすっきり、ワーナーから出すために、残ってたキャピトルの契約を消化するための埋め草的な1枚だったようだ。
そうやって聞いてみると確かに軽い。匿名的な演奏。ミックスもあるのだろうが、リズム隊が奥に引っ込み、歌を前面に出している。このRight As Rainは、シングルカットされ、日本でもラジオでよくかかっていたが、リチャード・マニュエルの歌は、良くも悪くもまろやかで引っ掛かりがない。それでも透明感ある感じは、従来の彼らになかった味と思ってた。
タイトル曲は、カリブ海っぽいインストで、ガース・ハドスンが大活躍。ちょうどジミー・カーター大統領が就任して、サザンロックアーティストたちが支援のコンサートを開いたニュースが伝わってた時期で、ザ・バンドによる”Gerogia On My Mind”のカヴァーも話題となった。