Live In Sherwood Forest'75 / Gong

Live in Sherwood Forest 75 Shamal
アソートと言う言葉は詰め合わせと言うような意味で使われることが多いけど、assortという単語を初めて知ったのは、ゴングの「Shamal」(’75)のクレジットだった。
せっせと辞書を引いて調べた、glockenspiel、marimba、xylophone、vibraphone and assorted percussions.と言うクレジット。
一般的にゴングとは、デヴィッド・アレン、ジリ・スマイスをフィーチャーした時期をさすが、この2人が抜けたあとバンドは、打楽器主体のジャズロックへと変貌を見せる。その過度期にあったのが「Shamal」(砂の迷宮)で、マイク・ハウレット(b,vo)、ピエール・ムーラン(ds,perc)、ディディエ・マラーブ(sax,fl)、ミレイル・ボーエル(perc)に加え、パトリス・レモアール(kb)、ジョルジョ・ピンチェフスキー(vn)とメンバーの大半がフランス人となる(フレンチ・プログレの範疇でゴングが語られるのはそのせい)。歌ものはあることはあるが、演奏への依存度は増している。
この75年のツアーを収めたのがこのライヴで、ゲストとして加わってたスティーヴ・ヒレッジ(g,vo)とミケット・ジロウディ(vo)夫妻が正式にクレジット。同時期に出たヒレッジの初ソロ「フィッシュ・ライジング」(バックのメンツはほぼ同じ)からのナンバーもある。スタジオ・ヴァージョンでのカチッとした演奏とは違い、幾分ラフではあるが、決めるところは決める演奏。とりわけリズムセクションのキレは見事で、このバンドがリズムに注目して生きる道を見つけたのは正解だったと感じる。
この後、ハウレットも抜け、ついに歌なしのインストバンドとして「ガズース」をリリース。ソフト・マシーンから加わったアラン・ホールズワース(g)の存在もあって、当時で言うクロスオーヴァー的な音作りを見せる。更にメロディ楽器がすべて去り、ムーレンを中心とする打楽器軍団による素晴らしい「エクスプレッソⅡ」を出すのだ。