King Of The Night / Bobby Harrison

Funkist
〜nightつながり
この名前に反応する人は、まずいないだろうけど、いたらちょっとヘンな人です。
ボビー・ハリソンは、プロコル・ハルムの初代dsで、シングル”青い影”リリース後に脱退(このシングルもセッションマンが叩いてるという話もある)、ヴァーティゴからフリーダムを率いてデビュー。アメリカ的なのか、ハードロックなのか、サイケなのかよくわからんこのバンドは3枚出して解散。そしてハリスンは、ミッキー・ムーディ−(g/ジューシー・ルーシー)、ピート・ソリー(kb/パラディン)らとスナフーを結成するのだけど、このバンドはソウル好きの英国のミュージシャンがサザンロックをやってるような、不思議な音楽だった。
僕はこのスナフーが大好きで、初めてファーストの米盤LPを下北フラッシュで見つけた時(まだN潟から深夜バスに乗って「買い出し」に来る大学生だった)は、コーフンしたものだった。スナフーを知ったのは、ホワイトスネイクでのムーディーのプレイが好きだったから。
で、スナフー結成前の72年頃に録音されオクラ入りしていたソロ「Funkist」(ジャケットのオレンジからサンキストに引っ掛けてるのだろう。バックにはムーディー、マシュー・フィッシャー(kb/プロコル・ハルム)、クリス・スチュワート(b/エール・アパレント)、イアン・ペイス(ds/パ−プル)、レイ・オーウェン(vo/ジューシー・ルーシー)、トニー・アイオミ(g/サバス)らが参加。スナフー時代に取り上げる”Long Gone”のオリジナル・ヴァージョンもいいが、米南部へのルーツを明らかにした英国スワンプの”Thinkin’Bout You”もカッコいい。ドラマティックなKing Of The Nightはある種プログレ(こんな汗臭いソウルフルなプログレなんてないが)的な音でもある。kbは共作者のボブ・サージャント(ミック・エイブラハムズ・バンド)だろう。ゲリー・ゴフィンとバリー・ゴールドバーグの共作による”It’s Not Spotlight”も気の置けないカヴァーもいい。