Queen Of Spades / Styx

Pieces of Eight
〜queenつながり
アメリカン・プログレッシヴ、とか、ハード・プログレ(すごいネーミングセンスだ!)、とか、果ては、産業ロック、とか、言われたバンドの多くは、はっきりしたメロディライン、メリハリの利いたアレンジ、クラシック音楽もしくは英国のプログレからの影響が大きい、ファンの多くはティーンエイジャー、といった共通項がある。英国風プログレアメリカ人ならではの明快な感覚で再現した、というのが僕の認識。ボストンやREOスピードワゴンを、この仲間に入れるのは少し違う気もするが・・・ 
シカゴ出身のスティックスは、”Lady”のヒットで注目を浴びた事もあったが、日本でもちゃんとLPが出るようになったのは、70’s後半、レーベルをA&Mに移してから。
トミー・ショー(g)、デニス・デヤング(kb)、ジェームズ・ヤング(g)の3人のソングライター/ヴォーカリストの個性がユニークだったが、アレンジが強引過ぎる曲もあって、繊細さ(この種のバンドにはそういうものを求めるでしょ?)という面では大いに考え物だった。僕が十代の頃、ボストンやカンサス、ジャーニーに比べると、スティックスは、垢抜けないバンドだったけど、彼らが垢抜けないなりに腹をくくってブレイクしたのが、78年の「Pieces Of Eight」。ヒプノシスのジャケットが、ちょっと話題になったけど、organが泣き叫ぶイントロの”Blue Color Man”といい、クイーン風コーラスから始まりなんともダサダサの”Renegate”といい、さもありなんといった感じ。それは来たるべく80’s型大味ロックの予告編だったわけだけど。
とはいいつつ、このLPは確か79年のお年玉で買い、結構よく聞いた記憶。”Sing For The Day”は”Come Sail Away”にも似た爽やかなメロディーのナンバーだったし、ドラマティックに決めようとしてかっこつけすぎたこのQueen Of Spadesも好きだった。
A&Mがキングからアルファに発売権が移ってまもなくのリリースだった気もする。