He Was Too Good To Me / Laura Nyro

Angel in the Dark
〜goodつながり
97年の死後、ローラ・ニーロの音源はいくつか発掘されたが、01年に出た「Angel In The Dark」(Rounder)は予想外の出来だった。思えば晩年とも言える94年(後にCD化)にライヴを体験できて良かったと思う。そこでは新作中心のラインナップだったが、エヴァリー兄弟、シレルズ、ミラクルズ、ディオンヌ・ワーウィックのカヴァーも聞かれ、「Gonna Take A Miracle」の続編の企画の存在を夢見たりしたものだった。この「Angel〜」には”Let It Be Me”、”Will You Still Love Me Tomorrow”、”Walk On By”、”Ooh Baby Baby”といったカヴァーが収められ、アルバムのいいアクセントになっている。94年から95年にかけての録音で、バックがついたものもあれば、シンプルな弾き語りもある。He Was Too Good To Meは、ロジャース=ハートの古い曲でおそらくはミュージカルの曲だろう。当然原曲は知らないけど、完全にローラのものになっている。初期の神経をつかわせる鋭さみたいなもの(「イーライ」や「NYテンダーベリー」は苦手だ)は影を潜め、リラックスした感じが伝わってくる。同じようなタイプでは、ガーシュィンの”Embraceable You”を取り上げているが、製作にピーター・ゴールウェイがかかわっている。フィフス・アヴェニュー・バンド出身のNYのこの才人は、後にローラ・ニーロ・トリビュートにかかわってゆくのだ。