Tell Me All About It / Formerly Fat Harry


〜allつながり
フォーマリー・ファット・ハリーはカントリー・ジョー&ザ・フィッシュのブルース・バーソル(b)が参加してることから、アメリカンなイメージがあるけど、レーベルは英ハーヴェストだし、中心メンバーのフィル・グリーンバーグ(vo,g)、ゲイリー・ピーターソン(vo,g,kb)は英国人。でも音は牧歌的なフォークロック。ライナーで藤崎さんが「時間の止まった英国の田園に淡い陽光だけが静に流れてゆくようなイメージ」と評してるが、これはこういったルーラルな音を愛する者の理想だろう。枯れた味わいのイメージもあるが、それは哀愁味あるpianoによるところも多い。この唯一のLP「Formarly Fat Harry」(’71)のハイライトは間違いなく、Tell Me All About Itだろう。最近再評価著しいヘロンよりも上だと思う。思えばハーヴェスト時代のピンク・フロイドもこういった音を出してたこともあった。フロイドの場合、テクニックがありすぎてこっちの方向には来なかったけど「Meddle」の小品など、明らかにこの線。dsを叩いてるのが、初期ゴングに参加したカンタベリー系のローリー・アランであり、マイク・オールドフィールドの弟、テリーがスペシャル・サンクスのクレジットにあるのもおもしろい。