65*Rainy Night In Georgia / Brook Benton ('69)
20th Century Masters: Millennium Collection
 このシリーズもそろそろ飽きてきましたが(^^)、お隣のジョージア州へ。
オリンピックやったアトランタが州都。サザン・ロック・ファンには、キャプリコーン・レーベルのあったメイコンが有名だけど、ジョージアにちなんだ歌は結構多い。
一番有名なのは、レイ・チャールズの”ジョージア・オン・マイ・マインド”だろうけど
グラディス・ナイト&ピップスの”夜汽車はジョージアへ”、ヴィッキー・ローレンスのジョージアの灯りは消えて”、地元アトランタ・リズム・セクションには”ジョージア・リズム”というのがある。

このブルック・ベントンは、50'sから活動する黒人R&Bシンガーだけど、不勉強ながらこの曲しか知らない。作者は白人スワンパー、トニー・ジョー・ホワイトで本人のヴァージョンよりも、ベントンのものの方が情感たっぷり。70年に#4まであがり久々の大ヒットとなったもので、映画「夜の大捜査線」に使われたR・チャールズの”イン・ザ・ヒート・オブ・ザ・ナイト”を思わせる。

 作者のホワイトは、エルヴィスに書いた”ポーク・サラダ・アニー”のヒットで知られるようになったssw。本国よりもヨーロッパで人気があり、ディキシー・フライヤーズをバックにしたライヴ盤でその熱狂振りがうかがえる。70'sはじめにワーナーに残した一連の作品が渋くて好き。

66*Old Tennessee / Fools Gold('76)
フールズ・ゴールド
 北上するとテネシー州ナッシュヴィル(州都)とメンフィスという、2大音楽産業都市で知られるが、乱暴に言うと、前者はカントリーの、後者はR&Bの街。日本で一番有名なのはきっと江利チエミの“テネシー・ワルツ”だろうね(“最新版テネシーワルツ“というジェシウインチェスターの曲もある)。僕が思い出すのは、渋谷のテネシーという中古屋だけど。あとジャック・ダニエルというウイスキーの故郷でもある(僕はアルコール飲まないけど)。

 フールズ・ゴールドは、イーグルス・フォロワー的な新しい世代のウエスト・コースト・ロックバンド。トム・ケリー、デニー・ヘンソン、ロン・グライネル(元SHFバンド)、ダグ・リヴィングストンの4人組。アリスタ(当時ファンキー・キングス、ウェイン・ベリー、シルヴァーなどこの種のバンドと積極的に契約)からデビュー以前は、ダン・フォゲルバーグのバックを務めていた。ジョー・ウォルシュ、ジョーの「ソー・ホワット」を手がけたジョン・ストロナック、グレン・フライイーグルスの初期を手がけたグリン・ジョンズの4人がプロデュースを担当(別々)し、ロンドンのオリンピック・スタジオ録音(これはジョンズのパート)と、イーグルスと同じパターンを取ったデビュー作は、若さあふれるハーモニーとメロディが印象的な佳作。

 中心となってるのはケリー(後にマドンナの”ライク・ア・ヴァージン”を書いてソングライターとして成功)とヘンソンだが、4人が取る目くるめくコーラスワークが素晴らしい。 この曲は、フォゲルバーグのカヴァーで、アコースティックに聞かせるもの。他にも“カム・アウト・オブ・ハイディング”のような泥臭い(スライドは後にグレン・フライ・バンドのダンカン・キャメロン)ものや、リヴィングストン(ニコレットラーソンの初来日に同行)のスティールの入ったカントリーロック“レイン・オー・レイン”など聞き所は多い。”ザ・ウェイ・ラヴ・グロウズ”の信じがたいコーラス・ワークはスタジオでのダビングだろうけど。

 CBSに移っての2枚目は、ヘンソン=ケリーのデュオ体制になり音の方もAOR方向へと進んで残念。

67*Kentucky Woman / Deep Purple ('68)
詩人タリエシンの世界(紙)
更に北へ向かってケンタッキー州。ケンタの愛称で知られるフライド・チキンは、大学入るまで食べた事なかった(^^)。州都はフランクフォートという小さな町。

 ディープ・パープルというと僕の世代では、「解散後も高い人気を誇った、ハード・ロック・バンド」。何しろ日本のファンの力で解散後も、日本先行で未発表ライヴが出たり、ベスト盤が組まれたりしたからすごい。ただしデビュー当初のいわゆる第1期は、ヴァニラ・ファッジ・タイプのアート・ロックとクラシック趣味が一体となったゴシック風のもの。デビュー・ヒットはジョーサウス作の”ハッシュ”で、アメリカで、#4まであがるヒットとなっている。

 この曲は2枚目「ブック・オブ・タリエシン」に収められた2枚目のシングルで、今度はニール・ダイアモンド(オリジナルは未聴)のカヴァー。初めの方はミッチ・ライダーみたいな感じだが、転調してオルガンソロになったりする辺はおかしい。

 2枚目は初期の3枚の中でも一番バランスがよくて、”リッスン”のたたみ掛ける様なサウンドは、イギリスのバンドならではの暗さがあるし、クラシカルな”アンセム”も悪くない。ヴォーカルのロッド・エヴァンスは3枚目出した後、アメリカ移住を理由に脱退(実際アメリカでの方が売れていた)。その後オーケストラとの共演を経てハードロック一色となってゆくのだが、参謀ジョン・ロードは、どんなものがウケるかをリサーチする冷静さも持ち合わせており、イッツ・ア・ビューティフル・デイやブルーズ・マグースといった、DPとはファンがかぶらない別ジャンルから、ちゃっかり頂いてくる策士ぶりを見せる。

68*Indiana Wants Me /R Dean Taylor ('70)
Essential Collection
北へ向かうと、インディアナ州。州都はインディアナポリス
インドリンゴはここから来てるんだって。知らなかった。

ライノの70'sヒット曲集「ハヴ・ア・ナイス・デイ」は24集まで出たマニアックなコンピCDで、これで知ったアーティストも多い。R・D・テイラーもそう。モータウン・レーベルと作家契約していたらしく、シュープリームスの”ラヴチャイルド”の共作者として知られている。70年に出したこの曲が、いきなり#5で、後は不発という典型的な1HW(一発屋)。パトカーのサイレンので始まり、無線や撃ち合いのSEが挿入される、物語形式の歌らしい。ストリングスの使い方も70's的でどっちかというとダサいけど、妙に心に残る曲でもある。ちなみにタイトルは、インディアナ州警が俺を指名手配しているという意味。 モータウン傘下に設立された白人用レーベル、レアアースからのリリース。

69*Illinois / Dan Fogelberg ('72)
Souvenirs
 インディアナから西へ向かうとイリノイ州ミシガン湖ほとりの、シカゴが最大の都市だけど、州都はスプリングフィールドイリノイ・スピードプレス(ポコのポールコットンがいたバンド)くらいしか思いつかないが、REOスピードワゴンは、シャンペーンというところで結成された。

 ダン・フォゲルバーグというとマルチプレイヤーでほとんどの楽器を1人でやってしまう人。その辺の器用貧乏さがCSN&Yの亜流と見られてる部分はある。デビューは、73年CBSから。74年の「スーヴェニアーズ」はジョーウォルシュのprod。意外にもいい面を多く引き出していて、いわゆるウォルシュ色は薄い。しばしばステージのハイライトとなった”ギャンブラー”を含む初期を代表する1枚。ここではバンド編成で、ウォルシュのバーンストームからケニー・パサレリ(b)、ラス・カンケル(ds)、ポール・ハリス(kb)、アル・パーキンス(steel)らが参加(ほとんど第2期マナサスなんだけど)。

 この曲はパーキンスのスティールは心地よいカントリーロックで、伸びのあるgもフォゲルバーグが披露。 個人的には次の「キャプチャード・エンジェル」が、初だったんでなじみ深いが、そちらはマルチダビング路線で演奏がより匿名的になってしまっている。

 フルート奏者ティム・ワイズバーグと組んだ「トゥイン・サンズ」ではホリーズのカヴァーやったりしてるけど、次の「フェニックス」(ここから”ロンガー”の#1ヒットがでる)は全くいただけない。2枚組の大作「イノセント・エイジ」は、初期を総括するような出来だが。これ以後はあまり知らない。