ドルリー・レーンのワイアット

■Theatre Royal Drury Lane 8th September 1974 / Robert Wyatt & Friends
Theatre Royal Drury Lane

落下事故のため下半身不随となったロバート・ワイアットの復帰作「Rock Bottom」のリリースを記念した、スペシャル・フレンズのバッキングによる、ワイアットの復帰ライヴ。この歴史的な貴重な音源は、かつてブートとして流通してたようだが、先日正規のリリースとなった。参加しているのは、prod'erでピンク・フロイドのニック・メイスン(ds)、ハットフィールズのデイヴ・スチュワート(kb)、初期ゴングのローリー・アラン(ds)、当時「チューブラー・ベルズ」を当てた、マイク・オールドフィールド(g)、マシーン時代の盟友、ヒュー・ホッパー(b)、ヘンリー・カウのフレッド・フリス(g,viola)、モンゲジ・フェザ(tp)、ゲイリー・ウィンドウ(sax)、ジュリー・ティペッツ(vo)。特にオールドフィールドのgがいい。
ティペッツの参加が意外だったが、旦那はキース・ティペットだし、トリニティ時代は同じBYGからソフト・マシーンもLPを出してたこともあったので、つながりが無い事もない。「Rock Bottom」(初めて聴いたのはビクターから出た再発LP)全曲にマッチング・モール時代の曲など。僕がワイアットを聞き出したのは、沈黙時代で、その後ラフ・トレードからカムバックした時は、音楽性の違いもあってなかなかなじめなかった。”Shipbuilding”が出てようやくつながった気がしたものだった。けど「Rock Bottom」のやさしさ(と書くとかなり御幣があるが)、心地よさ(それは不安と表裏一体となったものだけど)は、このアルバム固有のもので、その後買い求めた1枚目「The End Of An Ear」や「不思議な国のロバート・ワイアット」(と言う邦題だった3枚目)には、なかなか見出せない。
なにはともあれ、この貴重な音源のリリースを喜びたい。リリースはRykodisc傘下のHannibalから。