エクスプレッションズ(ターリー・リチャーズ)

エクスプレッションズ
■Expressions / Turley Richards
今世紀初頭の洋楽CD再発市場では、圧倒的な支持を得ていたワーナーの「名盤探検隊」。ジェシ・デイヴィスやエリック・カズが平積みされ、カントリー・ロックやスワンプ・ロックがトレンドだった。今ではそんなブームも去り、そのシリーズもワーナーのカタログから消え、一部は他のレーベルから再発されている。ひっそりと出て、ひっそりと消えてしまったCDの多いこと。99年に再発された、ターリー・リチャーズの2枚目('71,WB)もそんな1枚。
バックをつとめてるのが、ダニー・コーチマー(g)、ラス・カンケル(ds)、リースクラー(b)のセクション3/4なので、そっち方面からの再発アプローチだったのだろう。
グルーヴィーなファンキー・チューン連発、ではなく、フォーキーなもの、ブルージーなもの、ゴスペル風のもの、に混じってファンキーなナンバー(”The Last Day”でのジム・ホーンのfluteソロはかなりカッコいいし、ごきげんな”Beautiful Country”もノリのいい曲だ)もあるといった感じ。実際ヴァラエティに富みすぎではある。リチャーズは、80'sにフリートウッド・マック・ファミリーのバックアップで3枚目を出すが、僕はウォルター・イーガンやロビー・パットン同様、マック・ファミリー的な印象も強かったが、ここでのソウルフルな歌声も悪くない。軽くはない。軽妙ではないけど、ゆっくり味わいたい1枚。カヴァーは、スプリームズ、キャロル・キング、ディラン。