私のフランソワーズ / 荒井由実

MISSLIM
〜女性名つながり
♪あなたの顔、写真でしか知らない・・・と歌われたこの曲は、Yumingの2枚目「Misslim」(’73)に収められたもの。フランソワーズが、003ではなく(^^)、フランソワーズ・アルディと知ったのはずいぶん後になってからだが、中学生の頃、この2枚目が荒井時代では、一番好きだったので(今では「ひこうき雲」の方が好き)、それこそ浴びるほど聞いた。
レココレの特集の際に「『女の子なら誰でも一度は通る儀式みたいなもの』と男が信じてるみたいなもの」(大意)とこのアルバムを称したライターの方がいたが、言いえて妙だった。リアルタイムとなるとTVドラマで使われた”あの日に帰りたい”になってしまうのだが、A面のカントリー・ロック調な曲にヤラレタ。初めてペダル・スティール(弾いてるのは、はちみつぱいの駒沢裕城)を意識した曲が、”やさしさにつつまれたなら”。弾ける様なbassが耳に残る、”生まれた街で”や”たぶんあなたはむかえにこない”と並んで忘れられない曲だ。
私のフランソワーズは”旅立つ秋”とともに私小説的な内省的な世界。前作「ひこうき雲」の大半が、こういった個人の視点の色が濃かったのに対し、「Misslim」ではそれがやや薄まっている。それでもこの2曲は地味ながら前作の流れを汲んでいるのだ。
これが「Cobalt Hour」になると、私小説的な色合いは全くなくなってしまうのだが・・・