アメリカン・フライヤー

American Flyer: Spirit of a Woman
■American Flyer
元BS&Tのスティーヴ・カッツ、元ブルース・マグースのエリック・カズ、元PPLのクレイグ・フラー、元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのダグ・ユールから成るコーラス・グループがアメリカン・フライヤーで、4人のsswが集まったような音作りはまとまりがないという批判もあるが、76年のデビュー作(UAからリリース)は素晴らしい出来。音は70's半ばのLAの音で、AOR前夜のカントリー・ロック。prodはジョージ・マーティンでこの人選は意外だが、マーティンがアメリカを手がけていたことを考えるとあながちおかしいわけではない。メンツ的にユールの参加というのは少し意外だが、彼が加わっていたヴェルヴェッツの「Loaded」のポップセンスはここでも生かされている。圧巻はやはりフラー=カズの楽曲で、”Such A Beatuful Feeling””Let Me Down Down Easy”といった曲は、カズが書いてフラーが歌うという作業が確立。B面にはソングライターとしての代表曲、”Love Has No Pride”の作者ヴァージョン(といっても歌うのはフラー)が収められている。ただ”Drive Away”ではカズの訥々voが聞ける。カッツの曲では、ノスタルジックな”Back In '57”が素晴らしい。
バックにはアルヴィン・テイラー(ds)、ラスティ・ヤング(steel)、ラリー・カールトン(g)らが参加。CDはかつて1枚目、2枚目共別々にヴィヴィッドが世界初CD化したが、リマスターでないので、どうせなら2in1のCollector's Choice Music盤がお得。ただしこういうお得ヴァージョンを良しとしない風潮もあるので、ビミョーだけど。