かの香織


■Extra Bright / かの香織
94年だったのか、あれは。もう10年以上前だったとは信じられない。当時は「渋谷系」という言葉が使われ始めた頃で、外資系CDショップを中心に一連の洋楽テイストの強い邦楽アーティストが高いセールスを記録していた。J-Waveを中心にFMで当時プッシュされていたのがかの香織の「Extra Bright」。伝説のショコラータのvoであり、91年に「fine」でソロデビューしていた、かの香織が勝負に出た1枚。それ以前に出てたマキシシングルの内容が良かったこともあったし、「都会で一人暮らしするOLの恋愛感」みたいなものが前面に出た内容が対象者に受け入れられたのかもしれない。とにかくじわじわとブレイク。ネットなんてなかった時代、リアルタイムにそれをライヴやOAなどで肌に感じられた(そしてコーフンさせられた)のは幸せだった気もする。本格的なブレイクは次作「裸であいましょう」での"午前2時のエンジェル"だけど。
こういう恋愛至上主義みたいな内容のアルバムは、個人的な恋愛体験とリンクしてて、今聞くと結構恥ずかしかったりするのだけど、久々に聞くと歌詞の細かいところまで暗記してるのに驚く。ハイライトはシングルにもなった"青い地球は手のひら"だけど、"ゼロになれ"、"空のアンテナ"など佳曲も多い。現在ではゆったりとしたペースの活動になっているけど、ライヴに通ってた頃が懐かしい。遊佐未森平岩英子とのジョイント・コンサート「九月のクレオール」を行ったことも思い出す。