ジョニー・ダレル

カリフォルニア・ストップ・オーヴァー
■California Stop-Over / Johnny Darrell
数年前のわが国のルーツロック再評価の波はすごかった。タワレコHMVではエリック・カズの1枚目が山積みされ、当たり前のようにストリングスベンダーだの、LAスワンプといった言葉が飛び交っていたが、ブームの一段落つくとこのジャンルでのリイシューの数はぐっと減って悲しい今日この頃。00年に東芝からCountry-Rockin'Trust(萩原健太氏を中心としたルーツロック普及委員会)の監修でリリースされた1枚が、このジョニー・ダレルの70年作(レーベルはリバティー)。ダレルという人は60's後半に注目されたカントリー・シンガーで、その彼が「カントリーロック」と言う当時のトレンドに乗っかって作ったのが本作。prodはラリー・マレーで、リトル・フィートジャクソン・ブラウンらの曲を取り上げ、マレー人脈で、バーズのクラレンス・ホワイト(g)、ジェリー・シェフ(b)、マイク・ボッツ(ds)らのバックで聞かせる、後期バーズの流れを汲む、ストリングスベンダーが美しいカントリーロック(一口にカントリーロックといってもいろんなタイプがあって、ブルーグラスに近いものから、メロディアスな「ウエストコーストロック」(と称されたもの)まで多彩)。クラレンス・ホワイトと言う人は後期バーズの看板ともなった流れるようなベンダープレイが有名な人で、ここでも"These Days"、"Mae Jean Goes To Hollywood"(共にジャクソン・ブラウン作で、後者はバーズの4枚組ボックスで初お目見えしたもの。タイトルからしてモンローのことを思い出す)などで弾きまくる。prodのマレーといえば、バーニー・リードンもいたハーツ&フラワーズやスワンプウォーターをバックにしたソロでも知られてる人。やたら評価が高いけど、この人のソロってそんなにいいかな?疑問だ。ダレルは97年に亡くなったそう。このジャケットは素晴らしい