フリートウッド・マック


■Future Games / Fleetwood Mac
oceanさんのブログでこのアルバムが取り上げられてたけど、ジャケットがウグイス色だった。当時の米盤LPがこの色で、日本盤がクリーム色だったことを思い出したのだけど、現行のCDはウグイス色だった(少なくとも米盤は)。フリートウッド・マックがはっきりとアメリカナイズの道を歩み始めたのは、初期の看板だったピーター・グリーンとジェレミー・スペンサーが辞め、新加入のボブ・ウエルチ(g,vo)とダニー・カーワン(g,vo)そしてクリスティン・マクヴィー(kb,vo)を中心とする(もちろんミック・フリートウッドとジョン・マクヴィーの強力なリズムセクションは健在だが)ラインナップとなった、71年の「Future Games」から。完全にブルーズ色が消えた「Heroes Are Hard To Find」('74)までゆったりとした変化だったが、イギリス的な香りを残しつつ、メロディアスなアメリカンな味付けへと徐々に変化。この間かなりのメンバー・チェンジもあり、マネージメントとのトラブルもあり、地獄の苦しみとなった事もあった(多額の借金、マックの名前で別バンド(ストレッチの事)がツアー、メンバーの不倫etc)がバッキンガム=ニックスが加わりその後のブレイクで、すべてが帳消しになった(ようにも見えた)。
"Woman Of 1000 Years"の霧がかったサウンドが印象的な本作は、まずはソフトな音作りを試してみました感が強い。タイトル曲は、ウエルチがソロでもカヴァーしたものだが、従来にマックにはあまりなかったタイプのもの。クリスティンの歌う"Morning Rain"の湿り加減もいい。"Lay It All Down"などブルージーなものもあるが、グリーン時代とは質感が違う。ダニー・カーワンという人を個人的にはあまり買ってないけど、彼の役割は次の「Bare Trees」で終わり。