ディープ・パープル

In Rock
Deep Purple In Rock
過去のパープル関連の記事を「Purple-People」としてカテゴライズした。
その流れで久々に5thの「In Rock」('70)を。ラシュモア山の肖像(ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」ね)をもじったジャケットは昔からダサダサだし、メタリックで緊張を強いられるこのアルバムはあまり好きではない。イアン・ギランとロジャー・グローヴァーを加えた新生パープルは、前年のシングル"Hallelijah"からスタートしていたが、その次がオーケストラとの共演による実験作なので、実質的なお披露目がこれになる。それまでのサイケデリックなムードから一転して、ハードロックに徹した1枚。トップの"Speed King"は、いきなりスタートするヴァージョンに慣れていたが、英オリジナルはヘヴィなgからorgそして歌というもので後年「24 Carrat Purple」というベスト盤に収められた。リトル・リチャード好きのギランらしく、"Good Morning Miss Molly"という歌詞からスタート。代表作となった"Child In Time"はドラマティックな展開を持つものだが、メインのパートはイッツ・ア・ビューティフル・デイの"Bombay Calling"からのイタダキ。この2曲にはさまれて分が悪い"Blood Sucker"こそ名曲にふさわしいものだけど。B面へ行くとぐっとトーンが地味になるが、dsソロをまき込んだ"Fright Of The Rat"、"I'm Alone"の元ネタ的な"Living Wreck"などおもしろいものもある。同時録音のシングル"Black Night"は、今でもコーヒーのCMに使われているが、ブルース・マグースの"Nothin' Yet"のこれまたパクリ。#2(UK)と本国でヒットしたのが信じられないくらい凡庸なarrだが。