ディープ・パープル

Book of Taliesyn
■Book Of Taliesyn / Deep Purple
流れで今日もパープル。ロッド・エヴァンス(vo)、ニック・シンパー(b)がいたいわゆる1期の3枚のうち一番まとまっているのが68年の本作。原盤は米Tetragramatonで英国はParlophoneからリリース。”タリエシン”とは6世紀頃のウェールズ地方の吟遊詩人で、タイトルとなった「タリエシンの本」は14世紀に書かれたもので、タリエシンの詩(ウェールズ語で書かれた現存する最古の詩)を集めたもの。このテーマで歌われるのが"Listen Learn Read On"で畳み掛けるようなdsがカッコいい。エヴァンスの歌声はポエトリー・リーディングのようだ。2期になっても最初の頃は演奏された"Hard Road"は"Wring That Neck"というタイトルで知られたインスト。二ール・ダイアモンドのカヴァー"Kentucky Woman"やアイク&ティナ・ターナーの"River Deep Mountain High"(イントロには”ツァラトストラはかく語りき”のイントロが挿入されているがこの曲を使ったキューブリック監督の「2001年宇宙の旅」が公開されたのも同じ年)は、アメリカのヒット曲をサイケ調にarrするという初期の基本姿勢を打ち出したもの。エヴァンスの甘い歌声はバラード向きで室内弦楽的な、"Anthem"では特に冴える。