スペンサー・デイヴィス・グループ

Eight Gigs a Week
■Eight Gigs A Week / Spencer Davis Group

スペンサー・デイヴィス・グループという名前の通り、リーダーはデイヴィスだったのだけど、64年から67年までのバンドの「顔」は若き天才スティーヴィー・ウィンウッド(org,g,vo)だった。青い目のソウルとはよく言ったもので、本物に近づこうと競い合ってた当時の白人R&Bバンドの中では、スティーヴィーの喉は別格だった。兄のマフ(b)、スペンサー(g,vo)、ピート・ヨーク(ds)による4人組で、これは92年に出たアンソロジー。フォンタナに残した3枚のLP全曲にシングルを加えたほぼ完全版。これを聞くとオリジナルよりも圧倒的にカヴァーが多く、そういった面では過度期にあったバンドだったことがわかる。スティーヴィー脱退後バンドは続いてゆくが、最初の何年かがピークだったので、どうも部が悪く、以後スティーヴィーの影を引きずりつつ(悪く言えばその遺産で食っていけたが)行くことになった。
思ったほどヒット曲がなく、最初の頃はジャマイカン・シンガーのジャッキー・エドワーズの曲を取り上げていた("Keep On Running","Somebody Help Me")。最大のヒット"Gimmie Some Lovin'"を初めて聞いたときは、そのorganに圧倒されたが、ここに収めているヴァージョンはコーラスがなく、エンディングも違うもの。慣れ親しんだのはアイランドから出たベスト盤*1であれはシングルヴァージョンだったはずなのに、これは何だ(オリジナルLPには未収録の曲なのに)。個人的にはファーストに入っていたアイク&ティナのカヴァー"I Think It's Gonna Work Out Fine"(リンダ・ロンシュタットもカヴァー)もいい。
とは言え、改めて聞くとやや過大評価かな?という気もしないでもない。個人的には圧倒的にトラフィック時代だが・・・

*1:Best of Spencer Davis