リンダ・ロンシュタット

Prisoner in Disguise
■Prisoner In Disguise / Linda Ronstadt
イーサン・ラッセルによるジャケットが秀逸(それよりも素晴らしいのが次作の「風さら」)な75年作。前作「Heart Like A Wheel」で吹っ切れた感じがあってカントリー・シンガーという枠に収まりきらないものを感じさせたのはこのあたりから。当時のバンドは、ケニー・エドワーズ(b)、ラス・カンケル(ds)、アンドリュー・ゴールド(g,kb)、ダン・ダグモア(g)で、本作を最後にゴールドが独立する。ニール・ヤング、ジェームズ・テイラー(控えめなダグモアのsteelがいい)、当時の恋人J D サウザーといった同時代のssw作品から、モータウン(ミラクルズの"Tracks Of My Tears"(コーラスにはパンのドン・フランシスコの名前も)、マーサ&ヴァンデラスの"Heat Wave")、カントリー(ドリー・パートンの"I'll Always Love You"(後年ホイットニー・ヒューストンで有名になった)、"Sweetest Gift"(エミルー・ハリスがvoで参加))、レゲエ(ジミー・クリフ)まで幅広い。その中でリトル・フィートの"Roll Um Easy"(ローウェル・ジョージがslideを弾く)、アンナ・マクガリグルの"You Tell Me That I'm Falling Down"がいい。後者はJTとゴールドがac-g、コーラスでマリア・マルダーというラインナップ。