サムライ

Samurai
■Samurai
デラムからデビューしたウェブを前身としたサムライ(ミッキー・カーチスのいたGSバンドではない)の残した唯一の作品(Greenwich Gramophoneというマイナー・レーベルからのリリース)が紙ジャケでCD化された。未発表ライヴを含んだプラケース盤はどうもブートくさかったので止めたが、こちらは印象的なイラストのジャケットが美しい形で見れる。元エピソード・シックスで後にグリーンスレイドのデイヴ・ローソン(kb,vo)をフィーチャーしたクールなジャズロックで、ホーンが加わってはいるが、印象的なのはレニー・ライトのvibe。ゴングのピエール・ムーレンのような高速vibeではないが、彩りとして大いに貢献。ライトとdsのケニー・ビヴァレッジが黒人というのも当時の英国のシーンでは珍しい。どの曲がいい、というのは何度聞いてもあまりよくわからないが、全体としての雰囲気は悪くない。一歩間違うとトントン・マクートみたいな耳障りのいいBGMになってしまうが(あれもジャケットのムードは悪くないけど)、踏みとどまっている。