ジャクソン・ブラウン

ジャクソン・ブラウン・ファースト
Jackson Browne
久々にジャクソン・ブラウンのデビュー作を。布袋風(ほていふう、ではない)のジャケットにある文字、”SaturateBeforeUsing”は、「水に浸してからお使いください」という商品の説明とともに「使用以前に浸透済み」という既にソングライターとして、NGDB、ニコ、バーズ、トム・ラッシュなどに楽曲が取り上げられ、知名度抜群の待たれたデビュー作、という当時のジャクソンの状況を表している。手持ちの日本盤LPは76年に再発されたワーナー盤で、ライナーはピーター・バラカン。そこでも触れられてるが、エレクトリックな曲は、ジェシエド・デイヴィスがソロを取る、ヒット曲"Doctor My Eyes"、アルバート・リーが弾く"A Child In Thses Hills"と"Under The Falling Sky"の3曲のみ。あとはシンプルなアコースティックなナンバーが揃っており、どの曲もたいがいカヴァーが思いつくほど、他のアーティストに取り上げられている。何年か前のソロで来日したステージでも、客席からのリクエストが多かったのは、やはりこの1枚目からだった。バーズ(ここではクラレンス・ホワイトがアコギを弾く)、NGDBが取り上げた"Jamaica Say You Will"はいわば悲恋の歌ながら、それほど悲痛に感じないのは別れることになった恋人、ジャマイカを精一杯愛した事が彼の歌声から伝わるからだろう。実在した友人、アダム・セイラーのことを歌った"Song For Adam"、当時ラス・カンケル(リー・スクラーと共に参加)夫人だったリア・カンケル(最近ソロがRev OlaからCD化)のvoも聞ける、"From Silver Lake"、ディヴィッド・クロスビーのコーラスも美しい"Something Fine"もいいが、ベストトラックは、NGDBのジム・ファッデンのハーモニカの入った"A Child In These Hills"。