エルヴィス・コステロ&アトラクションズ

Goodbye Cruel World
■Goodbye Cruel World / Elvis Costello & The Attractions
お盆の頃に聞いていたベスト盤の影響がじわじわ来て、久々に80'sのコステロをちゃんと聞きたくなった。この「Goodbye Cruel World」('84)は、F-Beatがワーナーからではなく、RCAから出てた頃。この時期はリアルタイムでよく聞いていたし(レンタルでだけど)、主にピーター(バラカン)の放送から音楽情報を得ていたので愛着もある。コステロ自身は作られるべきではなかった1枚としてるようで、先日買ったMSIから出たCD(余談だけど、フォーマットを変え次々と出される一連のCDはいったい何なのだろう、結局はオリジナルフォーマット、しかも紙ジャケにもどったと言うことは、結局はLP、ということ?)のライナーでも本人が熱く語っていた。クライヴ・ランガーのprodは失敗だったというくだりが繰り返される(要はレコード会社が、無難なシングルを切りすぎることと、それについ迎合してしまう自分たちのへ戒め)。今聞くとそんなに悪くはない。ダリル・ホールがゲスト参加した"The Only Flame In Town"は、ヴィディオ・クリップも派手目だったけど。クリップと言えばゴドレー&クレームのヴィディオ作家としての名前を知らしめた、"I Wanna Be Loved"がカヴァー(日本で買った(きっと芽瑠璃堂(最近復活した)だろう)ハイサウンドのコンピで知ったという)という事も今回はじめて知った。これもまた復活したスクリッティ・ポリッティのグリーンがコーラスで参加。トレイシーに書かれた"When You Sleep"を改作した"Joe Porterhouse"も親しみやすいメロディー。腐ってるの?と思わせる"Sour Milk Cow Blues"は、"Milk Cow Blues"へのアンサーソングなのかと思ってた。"Peace In Our Time"はかなり皮肉な反原発の歌。ボーナストラックが9曲。シングルのB面やら、気に入ったarrに焼きなおされた本作からのライヴなど。おまけ好きの僕は、こういう企画を一概にいらない、と評することは出来ないけど混乱することは確か。この「Cruel」セッションのアウトテイク、"I Hope You're Happy Now"は後に「Blood & Chocolate」で素晴らしいヴァージョンでよみがえる。隠しトラックとして、リチャード&リンダ・トンプソンのカヴァー、"Witherd And Died"が収められている。ピーターの放送でトンプソンの名前を聞いたとき、すでに終わってしまった英国フォークロックの遺産のような人との認識があったけど、それは又大間違いだったのだ。