ride#3

南から来た男
■Ride Like The Wind / Christopher Cross
「南から来た男」といえばロアルド・ダールの短編かこのクリストファー・クロス(ミナミとなると別の意味だけど)。ジャケット、プレスなどに本人の写真が一切なくミステリアスなムードだったが、その作戦はルックスがヴィジュアル向きではなかった、というのが悲しい真相だったみたい。それでも79年のファーストはAORの本格的なブーム前ではあったけど日本でも結構売れた。一般的にAORというと、ブルー・アイド・ソウルの都会的展開みたいなニュアンスがあるけど、この人の場合は少なくともこのデビュー作ではソウルっぽさはあまり感じさせなく、むしろ伝統的なカリフォルニア・ロックのマナーにのっとったものを感じさせる。トミー・テイラー(ds)、ロブ・ミューラー(kb)、アンディー・サルモン(b)というバンドのメンバーに加え、ジェイ・グレイドン(g)、ラリー・カールトン(g)、マイケル・マクドナルドニコレット・ラーソン、ドン・ヘンリー、J・D・サウザーヴァレリー・カーター(vo)らヴェテランの参加が華を添えている。デビューヒットで#2まで上がり、同じ頃亡くなったローウェル・ジョージに捧げられたという"Ride Like The Wind"は、いささか下世話ながら、印象的なメロディー。マクドナルドのソウルフルなコーラスが光るもの。このアルバムからは、"Sailing"の#1が生まれたが、ニコレットとのデュエットとなる"Say You'll Be Mine"もいい。リリースは79年ながら、81年の春まで息の長いヒットとなり、続けて映画「ミスター・アーサー」からのテーマ曲"Arthur's Theme"(バート・バカラックの復活を告げるヒット)もヒットしている。
       おまけ
これは"Ride Like The Wind"のプロモだろう。"Say You'll Be Mine"のプロモを探したけど見当たらなかった(^^;