me#3


■Keep Me Comin' / Jesse Ed Davis
73年に出たジェシエド・デイヴィスの3枚目「Keep Me Comin'」はアトコからエピックにレーベルを移してのもの。ジョージ・ハリスン主催のバングラデシュ・コンサートにエリック・クラプトンの保険(ドラッグ問題などで参加が危ぶまれていた)として起用されて注目された、ネイティヴ系のギタリストで、泥くさいスライドを得意とする人。プロデューサーとしてジーン・クラーク、ジム・パルティー、ロジャー・ティリソンを手がけたりしたが、日本では名盤探検隊シリーズの「Ululu」で人気爆発となった。そのアトコ時代が豪華ゲストに目が行きがちだったけど、ジム・ケルトナー(ds)、ジム・ゴードン(kb)、ボブ・グロウブ(b)にホーン・セクションを加えたバンド的なグルーヴを重視した音作りのこの3枚目(結局はこれが主要な最後の作品となってしまったが)も捨てがたい。特にファンキーなソウルっぽいノリはこれまであまり見られなかったもので、73年という時代、しかも白人という事を考えると結構「早い」。タイトル曲の"Keep Me Comin'"は、ゴードンのクラヴィネットをフィーチャーしたもので、弾ける様なリズムが心地いい。これや"6:00Bugalu"(大瀧詠一の"Fussa Strut"の元ネタか)、"Who Pulled The Plug?"でのバンドとしての一体感は今までなかったもの。もちろん強力なイントロの"She's A Pain"で聞かせるスライドもまた魅力的だ。
         おまけ
ソロ以前?タジ・マハール・バンド時代のジェシが見られる貴重な動画。68年の曲とあるけど、68年の絵ではないねえ