man#3

John Simon's Album
■Motorcycle Man / John Simon
アル・クーパー、トニー・コジネク、ジョン・サイモン。この3人の共通は日本で突出した人気を誇ってること。もちろん突出したといっても程度問題だけど、ザ・バンドのプロデューサーとして有名なサイモンの場合。世界に先駆けてLPを再発したのは日本(77年の「ロック名盤」シリーズ)だし、カムバックさせたのも日本(パイオニアLDCより)だった。その幻のファースト、「ジョン・サイモンズ・アルバム」は去年あたりやっと米WaterよりCD化されたものの、日本盤はずいぶん昔からカタログにあったのだ。僕がはじめてこのLPを聞いたのは、新栄にあったatomというマニアックなレンタルLP屋で、80's前半のこと。ここでどさっと借りたものを後には自分で中古屋を探して買うことになるけど、初めて聞いたときは、「言われてるほど歌はヘロヘロではないなあ」と言う印象。なにしろ演奏がよかった。マッスル・ショールズの連中をバックにした"Davey's On The Road Again"(バリー・ベケット(kb)、ロジャー・ホーキンス(ds)、デイヴィッド・フッド(b)、エディー・ヒントン(g))、サンダーフロッグ(ジョン・ホール(g)、ハーヴェイ・ブルックス(b)、ウェルズ・ケリー(ds)、ポール・ハリス(kb))をバックにした"Tannenbaum"、ジム・ゴードン(ds)、カール・レイドル(b)にリタ・クーリッジ、ボビー・ホイットロック(vo)というLAスワンプの連中を起用した"Railroad Train Runnin' Back"など、多彩な人脈を使った味のある演奏が聞かれる。そしてこの"Motorcycle Man"では、リック・ダンコ(b)、リチャード・マニュエル(ds)のザ・バンドのリズム隊にジョン・ホール(g)を加えたシンプルなバッキング。ラグタイム風のpianoが楽しい小品だ。