7022■■オーメン('77米)

オーメン〈特別編〉 [DVD]
監督:リチャード・ドナー
主演:グレゴリー・ペックリー・レミック
ヨハネ黙示録(新約聖書)にある一節

「思慮のある者は獣の数字を解くがよい。それは人間の名を指す数字である。その数字とは666である。」

をヒントに、デヴィッド・セルツァーが脚本を書いたオカルトもの。「エクソシスト」同様、反キリスト的な思想が根底にあって、クリスチャン以外は、真の意味ではこの恐怖を理解しがたいかもしれない(実際半キリストが政治の世界に現れると言うことがそこまで恐怖なのかな?)。が、多くのオカルトものが、視覚的なショックに頼ってどんどんつまらないものになってゆくのに対し、骨格がしっかりしているので、ゆるぎない。監督のドナー(TV出身で、これが出世作となった)は、血を見せる事が嫌いで、実際ほとんど血しぶきはあがってない。ただ教会の尖塔で串刺しになる神父、ガラスで首が切断されるデヴィッド・ワーナーなどインパクトのあるシーンは多い。
ローマのダミアンが交換された病院から、廃人同様となった神父がいる修道院、そして無縁墓地をたずねるあたりの構成、サスペンスの盛り上げ方はさすがで、ダミアンの母の墓を暴くシーンでジャッカルの骨が出てくるところがクライマックス。個人的には串刺しや鏡ギロチンよりも怖い。写真を撮ると未来の死に様がわかるというアイデアは、「リング」でも使われた。大物俳優が晩年ホラー映画に出ると言う、パターンをグレゴリー・ペックは作った気もする。
他には、ビリー・ホワイトロー(悪魔の家政婦)、ハーヴィー・スティヴンス*1ら。
シリーズ化されたが、基本はこの第1作。
The Omen、20th Century Fox、1h51

*1:ダミアン役のこの少年が、最新作「オーメン666」ではワーナーの演じたカメラマン役