■■■■ビリー・ザ・キッド・21歳の生涯('74)

ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版 [DVD]
監督:サム・ペキンパー
主演:クリス・クリストファーソンジェームズ・コバーン
紆余曲折した作品。ルディ・ワーリッツアーの脚本を映画化したビリー・ザ・キッドの物語だが、公開当初はかなりカットされた106mヴァージョンだったが(これはこれで納得してた、もちろんそれしかなかったので)、88年に122mの完全版が出て、更に06年には編集しなおした115mヴァージョンが出た。現行のDVDは2ndと3rdの2つのヴァージョンが入った2枚組となっている*1。邦題は、キッドだけだが、これはギャレットとキッドの物語で、コバーン演じるギャレットがかなり悪役っぽく描かれている。音楽をボブ・ディランが担当。それはそれで素晴らしいけど、俳優としても出演。それほど印象的な役柄ではないが、ペキンパーが気を使ってか、露出度は多い。
脇役の充実度はペキンパー映画でも一二を争うほど。後半保安官として登場するリチャード・ジェッケルは、いつもと違う珍しい髪型。「ゲッタウェイ」でもエンディング近くで登場し、おいしいところをさらったスリム・ピケンズは老保安官(夫人は「真昼の決闘」のカティ・フラド)、死に際に捧げられた"Knockin' On The Heaven's Door"は、これで有名曲となった。最初の方で、キッドを捕まえるのはR・G・アームストロング(聖書を読めと強要)とマット・クラーク。またあっけなくやられてしまうのが、チャールズ・マーティン・スミス。フォート・サムナーの隠れ家には、キッドの仲間が大勢いて、まずルーク・アスキュー、リチャード・ブライト(「ゲッタウェイ」の置引き屋)、ドニー・フリッツ(クリストファーソン・バンドのメンバーで「Prone To Lean」というシブいソロがあるssw)、ハリー・ディーン・スタントン、そしてキッドの恋人役に当時クリストファーソン夫人だったリタ・クーリッジ。他にはチル・ウィルス、ジェーソン・ロバーズ、ジャック・ドッドソン(「ゲッタウェイ」の情けない獣医)、ジョン・ベック、エミリオ・フェルナンデス(「ワイルドバンチ」の将軍)、ジャック・イーラム(見事なガンファイターぶり)、L・Q・ジョーンズ、ルタニア・アルダら。
どのヴァージョンがいいとは一概に言えないが、今回は一番新しい3rdヴァージョンを元にした。
Pat Garrett & Billy The Kid、MGM、1h55

*1:ペキンパーの場合映画会社とトラブルを起こすことが多いので、編集権を持った会社に最終的にゆだねられることが多い。かの「ワイルドバンチ」も3つのヴァージョンが存在する。DVDリリースの際にこうしたアンカット・ヴァージョンはマニア向けの目玉として付加されることが多い