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MONKEY GRIP(紙ジャケット仕様)
■Mighty Fine Time / Bill Wyman
ビル・ワイマンがストーンズを抜けてからどのくらい経つのかよく判らないけど、最近はリズム・キングスとしての活動が軌道に乗ってるようだ。ワイマンが74年にストーンズ・レーベルから出した初ソロが「Monkey Grip」で、当時も今も趣味的な1枚として片付けられている。そう言い切ってしまえば実も蓋もないけど、当時と比べるとリスナーの裾野が広がった現在の方が、その趣味性に理解できるのはないかな。ミック・テイラーを配した70's半ばまでのストーンズが、音楽的には一番充実していた、と言い切っても問題ないだろう。米南部的な志向は60's後半からあったが、スワンプロックの台頭で、一気に花開いた感がある。その70'sストーンズの音楽的成熟においてワイマンの存在がどこまで関与してるのか不明だけど、このソロ(と次の「Stone Alone」)で聞かれるルーツ寄りのアメリカンロックな音からして、こういう音が好きだったんだろうなあ。もちろん根底にあるのはR&Bだろうけど。prodはワイマンで、ダニー・コーチマー(g)とマナサスのジョー・ララ(perc)、ダラス・テイラー(ds)がほとんどの曲で参加。その流れでDr.ジョン(p)、ローウェル・ジョージ(g)、ジョージ・テリー(g/クラプトン・バンド)、ジョーイ・マーシア(g/ジョジョ・ガン)、ジョン・マッキューン(banjo,mand/NGDB)、リオン・ラッセル(p)、ウィリアム・スミス(p/マザーロード)、ジェイ・ワインディング(p)、ウェイン・パーキンス(b)、バイロン・バーライン(fdl/FBB)、ベティ・ライト(vo)、ジョージ&グウェン・マックレー(vo)らすごいメンツが参加。けどあくまでも客演でそれを期待すると大きくはずされる。
タイトル曲"Monkey Grip Glue"は、ローウェルのgとホーンズがなかなかカッコイイナンバー。Dr.ジョンのorgをフィーチャーした"What A Blow"をB面にしてシングルカットされた。カントリー・ロッキンな"Pussy"には、マッキューンが全面参加している。リオン、テイラー、コーチマー、ワイマン、アビゲイル・ヘインズ(vo/ジョー・ママ)の布陣となる"Mighty Fine Time"は、ホーンズの感じがはっぴいえんどの3枚目を思い出したりするけど、なんとなく楽しいR&B。これを趣味と言い切るのは簡単だけど、シュミならシュミでいいだろう!と割り切りたくなる。