from#2

Whatevershebring
■Song From The Bottom Of A Well / Kevin Ayers「Whatevershebringswesing」という奇妙なタイトルのケヴィン・エアーズの72年の3枚目は、当時「ケヴィン・エアーズ3」という邦題で出たような記憶がある。卵から孵った大量の赤子が倒れたバスケットからこぼれるというなんともシュールなジャケット。ホール・ワールドを解散したものの、マイク・オールドフィールド(g)、デイヴィッド・ベッドフォード(kb)、デイヴ・デューフォート(ds〜元イースト・オブ・エデン)らをバックにしたもの。タイトル曲など牧歌的な味わいのナンバーに混じってベッドフォードオーケストレーションが目立つ大作や、アヴァンギャルドなナンバーもある。"Songs From The Bottom Of A Well"は、ソフト・マシーンの1枚目(つまりエアーズが参加したもの)にも通じるノイジーアヴァンギャルドなもの。このアルバムというと、ロバート・ワイアットのコーラスが素晴らしいタイトル曲、シングルになった"Stranger In Blue Suede Shoes"、川のせせらぎで始まる"Lullabye"など優しげな曲ばかりがクローズアップされるけど、こういう暴力的なナンバーもあることを忘れずにいたい。