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Back on the Streets
■Back On The Streets / Gary Moore
ゲイリー・ムーアの名前を知ったのは、ジョン・ハイズマンがテンペスト解散後再びジャズロックのフィールドに戻ってきたコロシアムⅡだった。当時ビクターから出た日本盤LPではギャリー・ムーア(正確な発音はこれに近いという)となっていたけど、このバンドはあまりに緊張を強いられるので、僕はちゃんと聴いた覚えがない。ここのkbがドン・エイリー(後にレインボー、ディープ・パープル)だったこともあって、ムーアが78年に出したソロ「Back On The Streets」(MCA)、エイリーも参加。更に加わったばかり(正確には復帰だけど)のシン・リジーからフィル・リノット(ライノットという表記にはなじめない)とスコット・ゴーハムも参加。有名バンドに加わったキャリアのあるgtrと言う図式は、僕はトミー・ボーリンを思い出したが、リジー(当時はハードロックはOld Waveと揶揄され英「サウンズ」誌と日「音楽専科」以外は相手にされなかった(New Wave Of Heavy Metalはこの少し後)がこのバンドに限っては、フーやホークウインドと並んでパンクスにも支持された)の枠に入りきらず、ムーアは「Black Rose」という大傑作を残して脱退(予定された来日公演は、ミッジ・ユーア(ウルトラヴォックス)とデイヴ・フレット(マンフレッド・マンズ・アース・バンド)をサポートに強行されたが、行った人はそれなりにレアな体験が出来たと思う))している。その後イアン・ペイスやニール・マレーといったパープル/ホワイトスネイクリズムセクションをバックにした事もあって、日本ではハードロック〜ヘヴィ・メタル・ファンでは絶大な人気を誇るようになったが、この「Back On The Streets」ではそういう曲(タイトル曲の動画はまるで早送りかと思わせる。おまけにdsはコージー・パウエルだ)もあるが、コロシアムⅡで聞かせたフュージョン風のインストもあって、多彩。そういえば73年に出た初ソロ(ゲイリー・ムーア・バンド名義だが)「Grinding Stone」でもそれっぽい曲があったなあ。