time#3

Silver Pistol
■The Last Time I Was Fooled / Brinsley Schwarz
ブリンズレー・シュワーツの3枚目はイアン・ゴム(vo)が加わって5人組となったもの。ネットの世界でも周期的に「パブ・ロック」って何?というギモンがBBSやブログで繰り返されるが、要はパブで演奏されるロック、つまり音楽性を表わす言葉ではないのだ。それでも不思議と米南部を意識したかなのようなスワンプ的、ザ・バンド的なものが感じ取られるのは面白い。但しパンク時代とも呼応したドクター・フィールグッドとブリンズレーの例えばこの3枚目で聞かれるようなユルユルな世界は同じジャンルとはみなされないだろう。僕が初めて聞いたブリンズレーは、本作(横浜のタワーで買った)か「Please Don't Ever Change」かどちらか。とにかくここでの気の抜けたようなレイドバックさには参った(悪い意味で)。それでもUA/Liberty系というのは、80's半ばには結構なレア度で、見つからないがゆえに妄想は膨らむと言う世界だった。ニック・ロウのソロ時代のしなやかさ、ポップさはあまり見られず。田舎臭い、ヒッピー然とした佇まいが妙に女々しく感じたのだ。当時は。こういうのをカントリー・ロックだと思ったこともなかった僕は、ブリンズレーが安易にカントリー・ロックと書かれているのを読むと妙に腹立たしかったが、レア度では一番だったファースト(これとセカンドの2in1の米LPを買ったのだった)を聞くと、この3枚目のザ・バンド・スタイルは洗練されてるのだと気づく。オリジナルに混じってジム・フォードの作品が2曲、うち1つはデイヴ・エドモンズがカヴァーする"Ju Ju Man"だけど、ユルい。"The Last Time I Was Fooled"は、ボブ・アンドリュースのorgが大活躍するナンバーだは、ダグ・ザームの"San Anton"っぽいところ(あっちの方が後)が面白い。
このニック・ロウの髪型! 73年のTVライヴ