you#2
■Woman Don't You Cry For Me / George Harrison
A&Mが配給権を持っていたダーク・ホース・レーベルがワーナー・ブラザーズに譲渡された権は、当時ずいぶん揉めたようだったが、いくつかの問題をクリアして76年にリリースされたのが新生ダーク・ホースの第1弾となる、ジョージ・ハリスンの「Thirty Three & 1/3」。これはLPの回転数とレコーディング時に33歳4ヶ月だったという事を引っ掛けてるらしい。当時僕は中2で、このLPが表紙のFM誌(FMfanだった気がする)から買い始めたという記憶がある。アップル時代と比べると華やかさに欠けるのは仕方ない。ここでもA面の4曲は素晴らしいがB面は地味だと言う印象があってほとんど忘れていた。トム・スコット(sax,fl)、ウィリー・ウィークス(b)、アルヴィン・テイラー(ds)、ゲイリー・ライト、リチャード・ティー、ビリー・プレストン、デイヴィッド・フォスター(kb)が参加。そこはかとないファンク臭は昔は気がつかなかった。はねるようなウィークスのbが素晴らしい、ファンキー・チューンの"Woman Don't You Cry For Me"はオープニングにしてベストトラック。ハリスンならではslideも味がある。なんともヘンテコなコード展開が"Beautiful Girl"も昔から好きだった(滑らかなel-pもいい)。ヒットしたシングルの"This Song"はプレストンのorgをフィーチャーしたキャッチーなもの。スティーリー・ダンっぽい"It's What You Value"もハリスンらしいslideが聞ける。スモーキー・ロビンソンに捧げられた"Pure Smokey"以降の3曲はどれもAORとでもいえるような佇まい。